2015年2月4日に、厚生労働省より「外国人介護人材受入れのあり方に関する検討会中間まとめ」が公表されて以来、さまざまな現場で議論が巻き起こっています。
アクラスのホームページでも、いくつか記事を記載しています。
◆首相の「外国人材活用」案に疑問符!(2014.4.12)
◆日本語教育学会、厚生労働副大臣に要望書を提出~「技能実習生としての外国人介護人材受け入れ」関連~(2015.4.8)
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◆会員からのレポート(平井辰也さん):介護福祉士養成コースにおける外国人の在留資格「介護」の取得に関して(2015.4.8)
そして、2016年11月28日に「外国人の技能実習の適正な実施及び技能実習生の保護に関する法律」が公布されました。それに伴い、かねてより話し合われていた「技能実習制度の対象職種への介護職種の追加」が行われることとなりました。
この決定には、以前より技能実習生の日本語の問題が懸念材料としてあげられていました。特に介護分野においては、コミュニケーション能力などがとても重要であるため、「どの場面で、いかなる日本語力が求められるのか」「日本力をアップさせるためには、どのような制度設計が求められるのか」といったことを詰めていく必要があります。今後どのように整備されていくのか見ていきたいと思います。
いくつか厚生労働省関連の情報発信について、記載しておきます。
■技能実習介護についてのページの開設(厚生労働省:2017年1月6日開設)
http://www.mhlw.go.jp/stf/
■QA集アップ
http://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-12000000-Shakaiengokyoku-Shakai/0000148075.pdf
QA集では、以下のようなQが出ています。
問1.技能実習制度への介護職種の追加の趣旨について教えてください。
問2.介護職種の追加は、いつ頃になるのでしょうか。
また、技能実習生の入国時期はいつ頃になるのでしょうか。
問3.介護職種の追加や介護固有の要件は、どのように定められるのでしょうか。
問4.介護の技能実習生の要件について教えてください。
問5.介護の技能実習生の受入れ施設の要件について教えてください。
問6.介護の技能実習における監理団体の要件について教えてください。
問7. 技能実習「介護」において、国による支援はあるのでしょうか。
ここでは、問7の答えのみ記すこととします。
(答)
技能実習は、
て国による支援はありませんが、技能実習「介護」については、
の日本語学習の環境整備のための支援を行っていくこととしていま
(日本語学習の環境整備のための支援例)
・ 自己学習のためのWEB コンテンツの開発
・ 介護の日本語テキスト作成
・ 実習実施機関における標準的な日本語学習プログラムの開発
・ 実習実施機関の日本語学習指導者向け手引きの開発
・ 聴解学習プログラムの開発
回答を見ると、「日本語学習の環境整備のための支援」について記されていますが、「日本語教育の専門家に関する規定」が記されていません。実際にどのような形で日本語教育が実施されるのか、さまざまな形で情報共有・意見交換を進めていく必要があります。
技能実習生の方々に「日本に来てよかった。日本の介護技術を学べてよかった!」と思ってもらうことができ、また、介護施設関係者や利用者さんにも「この人達に会えて良かった!」と言ってもらえるように、みんなで一緒に考え、行動していきませんか。
最後に、技能実習生ではなく、定住外国人として介護の世界に入ったフィリピン出身のプレシーラさん(松戸市)と保坂さん(能代市)に関する記事と、HIDAのスピーチコンテストの記事を紹介したいと思います。
◆介護施設で働くプレシーラさん~「めいと松戸運動公園」を訪ねて~(2013.10.30)
◆感動のスピーチ!「看護・介護にかかわる外国人のための日本語スピーチコンテスト」(HIDA)(2015.12.7)
◆HIDAスピーチコンテストが生んだ新たな「つながり」~能代の保坂さん、さらなるチャレンジ!~(2015.12.11)
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