「なでしこ作文」のご紹介~継続性のある地域との交流活動~

昨年12月に、ご近所の「なでしこ会」を軸にした授業実践、交流活動などに関する3つの記事をご紹介しました。

 

(1)「『できる日本語 中級』第7課<世代を超えて>の実践例(2014.12.8)http://www.acras.jp/?p=3552

(2)「留学生、近所のお宅を訪問して―『できる日本語 中級』<世代を超えて>実践第二弾(2014.12.19)   http://www.acras.jp/?p=3612

 

(3)「『日本の料理を留学生に食べさせたい!』と、地元の方々が年末パーティに参加」(2014.12.20)

http://www.acras.jp/?p=3631

 

 

なでしこ会の方から賞状授与

なでしこ会の方から賞状授与

今回は、イーストウエスト日本語学校で3月に行われた「なでしこ作文コンテスト」についてご報告したいと思います。「なでしこ作文」については、これまで何度もホームページ「日本語教育<みんなの広場>」に投稿してきましたので、詳しい説明は省略致しますが、過去の記事から一部ご紹介します。

 

■「なでしこ会」は、最初は週1回メンバーのお宅に集まって布巾やランチョンマットを作り、作品がたくさん集まると販売し、その収益を中野区の国際交流活動や地域留学生の支援活動に寄付をするという活動をしていました。私が以前勤務していたイーストウエスト日本語学校は、今までもさまざまな形で交流をしてきました。留学生が一緒にボランティア活動に参加させていただいていた時期もありました。そして、毎年一番のハイライトは、3月に行う「なでしこ作文コンテスト」です。

   「中野の方々との触れ合い①~“なでしこ”のつぶやきと共に~」より引用

http://www.nihongohiroba.com/?p=2640

 

 

表彰式でスピーチをするヨンウンさん

表彰式でスピーチをするヨンウンさん

■国際交流というと1回だけの交流、イベント性のあるものが多く行われています。しかし、「なでしこ会」との交流活動では、できるだけ双方向で、しかも持続可能な交流を心がけてきました。70代、80代のおばあちゃまのボランティア団体である「なでしこ会」と留学生、短期プログラムの外国人とのお付き合いはさまざまな形で行われています。

 ◆毎週お宅に集まっての布巾など作品作り←作品を販売して資金集め → 留学生支援への活用 → 作文コンテスト優秀者に賞金授与式

この布巾作りボランティアには、イーストウエスト日本語学校の学生も参加しています。おばあちゃま方と会話を楽しみながら、ボランティアで布巾作りをしている台湾のオウさんは、毎週火曜日の午後が楽しみでなりません。せっせと針を進めながら、みなさんの会話に聞き入っている姿は、とても印象的でした。

 「『なでしこ会』との交流は宝物」http://www.nihongohiroba.com/?p=1115

 

 

今年の「なでしこ作文」コンテストで最優秀賞を頂いたのは、偶然にも課外授業で「なでしこ会」を訪問した金英垠(キム ヨンウン)さんでした。ヨンウンさんは、今も「なでしこ会」を訪ね、おばあ様方との会話を楽しんでいます。

ヨンウンさんの話に刺繍の手を止めて話し込むSさん

ヨンウンさんの話に刺繍の手を止めて話し込むSさん

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国境を越え、世代を越え

     金 英垠

私は日本に来る前に、ドラマや映画、テレビの番組で見た日本の文化が、韓国の文化と似ることがたくさんあると思いました。でも実際に、来て見た日本の文化は、韓国と違がって、もっと興味が湧きました。そして、本物の日本の文化と日本人が会いたくて、学校のおしらせであったイベントに何ん回も参加しました。それから、日本人と一緒に日本の大学のお際りに行って、にぎやかな大学のあちこちを見ながら、おいしいものを食べたりしました。また、昨年12月28日、中野区の梅照院で、おもち作りのボランティアスタッフとして参加して地域の人々と楽しみながらおもちを作ったり、配りたりしました。どんな経験も忘れない美しい思い出で、私の心に残っています。でも、私にとって、一番大切な体験は、‘日本人の家の訪問’です。

 

日本の新聞と韓国の新聞の違いについて語るヨンウンさん

日本の新聞と韓国の新聞の違いについて語るヨンウンさん

昨年、M6クラスで、受撲中、日本人の家に訪問するときの礼儀正しい方について勉強したことがありました。あの時、私達のためになでしこ会のお祖母さん方が学校に来て、私達を助けてくれました。日本の訪問の礼儀は何回も挨拶したり、敬語を使ったり、難しいことがありましたが、親切なお祖母さん方と一緒に体験したから、とても楽しかったです。

 

数日後、学校のおしらせで、実際に日本人の家を訪問することができるイベんとがあって早く申し込みしました。いよいよ訪問の日が来て私の胸はときどきしました。先生と私と他の友達2人で行きました。家まで、歩いて行きましたが、歩いている時、私が何にかまちかって失礼になるかもしれないっと思ってちょっと緊張しました。家に到着したら、なでしこ会のムンさんが私達を迎えてしました。私達は日本の礼儀に応して、玄関でうわぎを脱いて置いて、部屋に入りました。部屋の中に、なでしこ会のお祖母さん方がいました。みんなよろこんで私達を迎えてくれましたので私も落ちつくなりました。

熱心に質問なさるMさん(向かって右:昨年90歳を迎えられました)

熱心に質問なさるMさん(向かって右:昨年90歳を迎えられました)

私達の国について自分が知っていることを説明をしたり、私達が日本の様々なことを質問した時親切に答えてくれました。私は、初めて長い時間日本人と話してとてもうれしかったです。そして、初めて刺繍をして見ました。国によって違うと思いますが、今は世代の考え方が違って困まっているところがたくさんあります。私は日本に来て、なでしこ会のお祖さん方は国境を越えて、世代を越えて交流できたのがとても良かったと思います。外国で一人くらしだけて、久しぶりにあたたかい気持ちを感じました。その交流は日本で生活するとき、疲れて帰りたいと思う時に私が立って歩ける力になると思います。

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