フィンランドの日本語教室から~「1日3回飲むだけで日本語が上手になる水」?~

先日、フィンランドのラッペーンランタ市で日本語教師として仕事をしていらっしゃる中川さんから久しぶりにメールが届きました。そこには、こんな言葉がありました。

 

スピーチコンテストで①

スピーチコンテストで①

「先月は、ヘルシンキで全国日本語スピーチ大会がありました。私の学校代表となった2人組の学生は「1日3回飲むだけで日本語が上手になる水」という架空の商品をTVショッピングスタイルで紹介して、場内大爆笑でした。本当にそんな水があったら日本語教師の商売は存在の危機をむかえますね。でも、日本語を上手に教えられる水があったら、是非アクラスでこっそり売ってください。買いにうかがいますから」

私は、「日本語が上手になる水」という架空の商品に惹かれ、「中川さん、ぜひその原稿読ませていただきたいのですが・・・」と、お願いをしました。日本から遠く離れたフィンランドでは、日系企業もなく、訪れる観光客の数もそれほど多くありません。生の日本語を使うチャンスは滅多にない環境で、学習者の方々は、アニメなど日本文化への興味から、楽しそうに日本語を勉強しているのだそうです。

フィンランドにおける学習者の数は・・・というと、ここ数年減少傾向にあります。それにはさまざまな要因がありますが、ぜひ多くの方々に北欧の国フィンランドの日本語教育の一端を知っていただきたいと思います。その前に、ちょっと国際交流基金による「2012年度日本語教育機関調査」を覗いてみましょう。(『海外の日本語教育の現状』p.13)

       学習者数=1,739人(42位) ←2009年度 2,484人(39位)

     機関数 =27 ←2009年度 39

確かに、統計では学習者数も機関数も減ってはいるのですが、JLPT(日本語能力試験)の受験者は全レベル合わせて少しずつ増えているようです。

2009年=158人    2010年=165人    2011年=178人

2012年=193人    2013年=178人    2014年=211人

スピーチコンテストで②

スピーチコンテストで②

また、中川さんは、メールでこんなことも書いてきてくださいました。何かの縁で新たな交流が生まれ、それが将来フィンランドの日本語学習者増につながることを願っています。

「私の勤務するJoutsenon Opistoでは、13年に新校長を迎え、活発に教育刷新が進められています。そんな中、今、校長が一番推進させたい事業の一つが「国際交流」です。もし嶋田先生のまわりで、「フィンランドから日本語を学ぶ学生を送り、日本からフィンランド語や英語や芸術などを学ぶ学生を受け入れること」にご興味のある方(機関)がありましたら、教えていただけませんか」

では、「富士山の山の桜の田中さんの猫のスーパースーパー水」をお読みください。スピーチをする彼女達の声をお聞かせできないのが残念ですが・・・。

 ♪   ♪   ♪

 

 「富士山の山の桜の田中さんの猫のスーパースーパー水」

              パーッキ・ミンットゥ&ハンニネン・ミンットゥ

 

ハンニネン(H):こんにちは。ミンットゥです。よろしくおねがいします。

パーッキ(P):  私もミンットゥです。よろしくおねがいします。

スピーチコンテストで③

スピーチコンテストで③

 

H:     あなたはいつも日本語を話すことを習いたいと思っていますが、それは難しすぎますか。

P:    でも、心ぱいしないでください! あなたのためにとてもいいしょうひんがあります。これは「富士山の山の桜の田中さんの猫の日本語勉強スーパースーパー水」です。

H: これを飲んでください。日本語を勉強するのがかんたんになります。一日三回飲むだけで、あなたはちがいに気づくことでしょう。

P:    水は、脳を活性化させます。言語を習うことがこれまでい上に簡単に思えます。これは、あなたの中にねむっている日本人を目ざめさせます。

H:    しかし、それはだけではありません!今すぐお電話ください!

P:    今ならこのすばらしいペンもさし上げます。

H:    このペンは難しい漢字の書き方をおしえます。この ペンを買ったあと、もうぜったいに 漢字の本を使って勉強しなくてもいいです。

P:     それから、今ちゅうもん すれば、 このすばらしい話友達もさし上げます。

H:     彼は12い上の日本語の言葉を知っています。そして、新しい言葉をあなたといっしょに勉強します!(せいぜい20です)

P:     かわいくて楽しいです!

H:     話し方はこの3つの中から選ぶことができます。

スピーチコンテストで④

スピーチコンテストで④

P:     1、私はマヌでございます。

H:     2、ぼく、マヌ。

P:     3、おれはマヌだ。

H:     このコマーシャルの間に電話すると、さらにこのびっくりするようなヘッドドレスをさし上げます。

P:     これをかぶっている時、友達が簡単に作れますよ。

H:     電話番号は××の123の123の2222、××の123の123のニャンニャンニャンニャンです。早く電話してください!

P:     さあ、すでにお買い上げいただいたうれしいお客様のインタビュ―を聞いてみましょう。

H:     客1 山田花子)このしな物を買ってから、私の生活のクオリティーがよくなりました。もう、この文しょうを日本語でいえます。

P:     客2 山田太郎)このぼうしのおかげで、 たくさん友達を作りました。それから、私の結婚生活はとてもよくなりました。

客3 マイヤ=ペッカ・サースタモイネン)これは 便利です。。。。

H:     まあ、すごいでしょう?

P:     あなたもこんなにしあわせになれますよ!この「富士山の山の桜の田中さんの猫のスーパースーパー水 」と漢字ペンと話友達とかわいいぼうしは、今なら     すぐ全部あなたのものになります!

H:     今日 、ちゅうもんすれば、20円のわりびきもありますよ!ねだんは1億2345万6789円だけになります!

P&H:   さあ、すぐに電話して、ちゅうもんしましょう!

 

P&H:   ありがとう ございました!!

 

          ♪   ♪   ♪

また、今回「富士山の山の桜の田中さんの猫のスーパースーパー水」も入っているクラス文集を送ってきてくださいました。

  PDF → 文集

1.コンサートに行きましょう。

2.学生りょうの生活

3.このコスプレの後で、このしゅみをやめよう。

4.じゃんけんポン!

5.Sanちチェック

6.茶道

7.日本の高校

8.私の鳥の友だち

9.入れずみと世界のタトゥー

10.富士山の山の桜の田中さんの猫のスーパースーパー水

11.私の日本へのきょうみ

12.私の一番好きなバンド、少年ナイフ

13.フィンランドの近代的な石ざいく

14.私の京都旅行

 

参考:フィンランド関連の記事

 

①  「フィンランドから学ぶこと」(2011年7月8日)

http://www.nihongohiroba.com/?p=1494

 

②  「フィンランドの学生、コンビニでのやりとりにびっくり!」(2011年7月18日)

http://www.nihongohiroba.com/?p=1536

 

③  「中川先生に聞く『フィンランド日本語教育事情』(2012年7月5日)

http://www.nihongohiroba.com/?p=2591

 

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