1999年に誕生した韓国OPI研究会は、今年で20周年を迎えました。その祝賀会に参加して、大勢のすてきなOPI仲間と一緒に時を過ごすことができたのは、とても幸運でした。実は、祝賀会の翌8月21日から4日間、OPIワークショップがソウルで行われるため、1日早くソウル入りしていました。
開会の挨拶は、現会長の迫田亜希子さん、そして閉会の挨拶は初代会長の櫻井恵子さん、まさにこの20年の韓国OPI研究会の歩みを彷彿させる2つのご挨拶でした。櫻井さんとも国際大会の実施をはじめ、さまざまなことをご一緒させていただきました。韓国OPIの素晴らしい点はたくさんあるのですが、「少ない人数で、他ではできないことをやってしまう底力、ネットワーク力」にあると思います。
例えば、韓国OPI研究会が主宰している「4日間のOPIワークショップ」ですが、ソウルワークショップのように、OPI研究会が自主的にワークショップを実施している所は、他にはありません。それも、今年で14回目を迎えるというのです(実質的な自主開催は5回目からとのこと)。すべて韓国OPI研究会の方々がACTFLとやり取りをし、希望者を募り、被験者を集めて開催しています。私にとっては3回目の実施となりますが、毎回、きめ細かな配慮のもと実施され、温かく、楽しく、そして、熱いワークショップとなります。
書きたいことが山ほどありますが、明日にワークショップ初日を控えていることもあり、今回は、「20周年記念冊子」に寄稿した文をご紹介して、終えることとします。
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韓国OPI研究会設立20周年、おめでとうございます!私が初めて韓国OPI研究会(以下「研究会」とします)の方々にお会いしたのは、2002年にエジンバラ大学で行われた第1回国際大会の時でした。それ以降、国際大会をはじめ、さまざまな所でメンバーの方とお目にかかることができ、情報交換や話し合いを重ねてきました。私が研究会の方々と接していていつも思うのは、皆さんが作り上げてきた“文化”のすばらしさです。限られた紙面ではありますが、私が思っていること、期待していることについて記させていただきます。
1)みごとなチームワークと実行力
エジンバラでの第1回国際大会において、今後各地で継続的に実施していこうと意見がまとまったものの、なかなか次の開催地が決まりません。その時、「では、ソウルでやりましょう!」と、研究会の櫻井会長が言ってくださり、翌年8月には素晴らしい国際大会が建国大学で行われました。いろいろお話を伺ってみると、年に何回も定例会を開催し、さらに、OPIワークショップをずっと研究会主催で実施していらっしゃるとのこと(今年のワークショップが第14回となります)、その実行力には、ただただ脱帽するばかりです。
2)温かいまなざしと熱い思い
私は、2012年と2016年に、ソウルにてOPIワークショップを実施させていただきました。そこでとても印象に残ったのは、担当してくださる方々の配慮のすばらしさと、成功させたいという熱い思いでした。事前の受講予定者への気配り(例えば、早めにMLを立ち上げ、ネットワークの構築を図る等)、実施中スムーズに行くようにという随所に見られる配慮、そしてチーム全体に流れる温かさと熱さには、いつも感動しています。前回のワークショップでは、「古稀祝い」のサプライズがありました。若い頃、「古稀を迎えたら、朝鮮通信使の研究のため韓国に留学する」という夢を持っていた私は、夢は叶えることができませんでしたが、研究会のお仲間とご一緒にソウルで楽しい時間を過ごすことができました。
3)韓国OPI研究会のさらなる発展に向けて
今、日本語教育の世界では、OPIへの関心が非常に高まっています。OPIを知ることによって、実践の中身も大きく変わっていくことを考えると、OPIがさらに広がり、多くの方々に知っていただくことが大切です。そのためには、各地でOPIワークショップを開催することも重要ですし、各研究会が連携し、協働することが求められてきます。今後、韓国OPI研究会の皆さまのますますのご活躍を期待しています。これからもどうぞよろしくお願いいたします!
【参考】
・韓国OPI研究会のサイト→http://opik.da-te.jp/
・アクラス日本語教育研究所のサイト
日本語教師として「古稀」に想うこと~専業主婦からの出発~
(3年前、ソウルワークショップで「古稀」を迎えました)