「OPIミニミニ入門講座」(9.23)のご報告

 

メモを取りながらインタビューを聴く参加者

メモを取りながらインタビューを聴く参加者

今回のOPIミニミニ入門講座は、お知らせを出してから半日で満員となりました。さらに、次の日にも多くの方からお申し込みをいただくという状況でした。あまりのOPIへの関心の高さに、びっくり! こうした関心の高まりには、いくつかの理由が考えられます。

まずは、「プロフィシェンシー」を意識した教育実践が増えていることが挙げられます。「その言語を使って、何がどのようにできるか」への関心が高まり、知識偏重教育が見直されてきています。「日本語能力試験の対策が忙しくて、とてもプロフィシェンシーなんて考えている余裕がありません」という声をよく聞きますが、実は日本語能力試験はJLPT、そのPとはプロフィシェンシーのことなのです(Japanese Language Proficiency Test)。このあたりも教師の言語教育観の見直しが求められていると言えます。

次に、『できる日本語』の広がりも挙げられます。今回の参加者もそうですが、残念ながら申し込んだものの参加出来なかった方の多くが「『できる日本語』の中心になっているOPIのことを知りたいんです。そうすることで、この教科書をもっと効果的に使えるのではないかと思っています」というメッセージをくださいました。

グループで話し合い

グループで話し合い

また、教師力を伸ばすのにOPIを活用したいと考える人が増えているのも、OPIに対する関心が高まっていることの理由の一つです。『目指せ、日本語教師力アップ!~OPIでいきいき授業』では、次の6つの点が記されています。

1)評価する力   2)タテ軸で考える力   3)突き上げ力   4)質問力         5)傾聴と共感   6)自己教育力

なお、参加動機、研修内容、実施後のコメント等は、2012年度の「OPIミニミニ入門講座」に記していますので、ここでは割愛することにします。   http://www.acras.jp/?p=391

最後に、当日配布した資料からいくつかの「声」をお伝えしたいと思います。

OPIが教えてくれた「語ること」の楽しさ(日本人男性と結婚したフィリピン女性の感想)

日本に来てもう10年です。私は、日本語でいろんなこと、話します。友だちもいっぱい。子どもの学校の友だちのお母さんとか、近所の人とか。でも、こんな、いろんなこと、話したことありません。自分の考えとか、意見言い合うとか・・・・・・。今日は、いっぱい話しました。嬉しかったです。私も、こんな話せるっていうか、話したいっていうか・・・・・・。だって、そんなことないです。またOPIやりたいです。なんか勇気も出てきたんですよ。

◆4日間のOPIワークショップを終えて(ワークショップ修了生の声)

Aさん:話す能力の物差しができた点が良かったと思います。できる人にはもう少し難しいタスクを与えようとか、このタスクだと大変そうだから、この技能を練習して身につけさせればいいといったことが何となくわかってきました。あとは、超級話者の対策というわけではありませんが、いろいろな雑誌や新聞を読んで新しい情報を積極的に取り入れるようになりました。

Bさん:会話の授業がどうしても「自由会話」と称する「おしゃべりの時間」になってしまっていたので、その解決方法を模索して飛び込んだOPIワークショップでした。今は「OPIは問診のようなものだ」と考えています。治療を始める前には、患者の状態を正確に知ることが必要になります。「OPIは日本語学習者の現在の会話能力を知る方法のひとつなのであって、出てきたデータをどう活用するかは各日本語教師の課題だ」というのが、今の私の認識です。

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まずはビールで乾杯!次にワインで・・・

まずはビールで乾杯!次にワインで・・・

研修終了後は、今回はアクラスで懇親会を実施しました。それぞれの実践を熱く語り合ったり、地域日本語教室のコーディネーターの方が日本語学校の先生に「近くじゃないですか! 是非いらしてください!」と誘ったりと、ワイワイガヤガヤ楽しいひと時でした。

 

 

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