OPI(92期)のワークショップ、中野サンプラザで開催

今年からワークショップは、「中野サンプラザ」で実施

今年からワークショップは、「中野サンプラザ」で実施

これまでアルク主催のOPIワークショップは、アルクの地下ホールで行われていましたが、今年から中野サンプラザで実施されることになりました。長年「アルク会場での開催」だっただけに、淋しさもありますが、新しい場所でのワークショップは、また別の良さもありました。

今回のワークショップの国内参加者は、東京近辺が4名、遠くは博多、福井からのご参加でした。海外からは、中国の長春、アメリカ、韓国からの参加者に加え、今月20日にはラオスに向けて出発するという方もいらっしゃいました。

研修室前の立て看板

研修室前の立て看板

4日間の研修は、最初は「自分は乗り切れるだろうか」「ちゃんと理解して、インタビューが出来るようになるだろうか」と、不安もあったとのことですが、4日目の修了式には、やり終えた安堵感と達成感が満ち溢れていました。

でも、これから練習ラウンド、認定ラウンドとお仕事が待っています。皆さんでメーリングリストを立ち上げ、みんなで支え合って乗り切っていかれることでしょう。
4日目終了後の懇親会には、全員参加。厳しくも楽しい4日間を振り返りながら、楽しいひと時を過ごしました。こうしたネットワークの広がりが、OPIの魅力の一つでもあります。

デモ実習

デモ実習

今回は、4名の「海外で活躍している方(すぐに出発される方)」に、コメントを書いていただきました。どうぞご覧ください。

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■ブラウン文子さん(アメリカ・マサチューセッツ州)
怒涛ような四日間が終わり、しみじみと貴重な体験ができたことを感謝しています。私は普段、アメリカの東海岸にあるアマースト大学という大学で日本語を教えています。参加前は海外からの参加でしたので、どのような参加者のみなさんなんだろうと緊張と不安で一杯でした。でも、たった4日でしたが普段の自分をさらけ出してインタビュー練習に臨み、失敗をかさね、あたたかいコメントをいただきながら「ああ、自分にもできるかもしれない」という気持ちになれたことは大きな収穫です。本当に素敵な10名の皆さんと知り合うことができたことは、思い切って参加したからこそ得た宝だと思っています。

OPIの魅力は、目の前にいる人に真剣勝負で向き合い、必死で繰り出してくる日本語をこちらも必死に瞬時に分析しながら次の質問を考える、まさに真剣なぶつかり合い。普段の自分の授業でもこのOPIのワークショップで得た「質問力」、「分析力」をこれからの授業に生かしていけたらいいなと思っています。

■澤田修一さん「OPIで築く第2の人生」 (中国・吉林華僑外国語学院)
実は、私はもともとエンジニアで、モノや数字が大好きという典型的な理系人間でした。これがひょんなキッカケから、言語のもつパワ-と日本語を教える面白さに気付き、定年後は文系人間になってみようかなと魔がさしたことから日本語教育を勉強することになり、中国の長春の外国語大学で、日本語を教えるという私の第2の人生がスタ-トしたわけです。

「澤田さん」(大学の卒業式で)

「澤田さん」(大学の卒業式で)

大学というところは、最も多感な時期にある青年が親元を離れ、はじめて自分で社会そして世界への入り口を垣間見るところです。教師、特に外国人教師は学生にとって、まさに社会、世界を垣間見るための「窓」ですから、学生は教師に向かってこしゃくにも様々なOPIを仕掛けてきます。教師も負けじと学生に向かってOPIを打ち返します。一方通行の授業では見えない素顔の人間性や感性が見えてくるわけです。

私の「窓」には、こう書いてあります。「夢は絶対かなうから、夢を持ち続けて、そこに近づくための努力を続けてチャンスを待ちなさい。」

■國頭あさひさん(8月下旬、ラオスに赴任)
ラオスで2年間日本語を教えることになり、出発する前に何か身につけたいと思い、OPIワークショップに参加しました。

記念撮影

記念撮影

ワークショップは、挫折と自己分析を繰り返し、激励され、知恵を出し、再挑戦するという、たいへん発見の多い4日間でした。気がつけば、苦手だと思っていたことも、だんだん楽しいと思えるようになっていました。

面白かったのは、ワークショップの初日を終えると、急にテレビや街中の言語表現が変わって聞こえるようになったり、友人との電話や会話が柔らかくなったりしたことでした。OPIの応用の可能性や効果を実感しました。

ラオスは小さな国で日本語学習者も少ないですが、OPIという基準と技術を持って行くことで、より広がりのある教育活動を実践できるのではないかと思います。このワークショップで学んだことをラオスでの業務全般に活かし、成果を学習者に還元し、自分の壁を乗り越えていきたいと思っています。

■Mさん(韓国)
4日間のACTFL-OPIワークショップを通じて、非常に多くのことを学ばせていただきました。先生からは大変きめ細かいご指導をいただき、複雑なACTFL-OPIの理論を少しずつ学習していくことができました。

ワークショップ中にACTFL-OPIの理論に則った効果的なインタビューの仕方や言語運用能力の測定の仕方などについて学びつつ、実際に日本語学習者にACTFL-OPIのインタビューをする機会も得ることができ、学んだことを実際の日本語学習者へのインタビューを通じて、4日間で段階的に習得していくことができました。また、インタビューの後は、先生と受講生の方々から貴重なコメントをいただくことができ、大変有意義な4日間になりました。

私は、韓国で日本語を教えているのですが、これまで会話の試験の際等に学習者の言語運用能力をどのように測定すべきか、その測定方法について何度も考え込むことがありました。しかし、ワークショップ受講後、ACTFL-OPIの尺度に沿った言語運用能力の判定が可能になり、それを今後の会話の試験に是非活用していきたいと考えております。また、インタビューの際に使用するロールプレイのロールカードなども普段の日本語の授業の教室活動を考案する上において是非参考にしていきたいと考えております。

4日間のワークショップが終わり、今からACTFL-OPIの試験官の資格取得に向けてインタビューを行っていきますが、良いインタビューができるように全力で頑張りたいと思います。どうもありがとうございました。

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※以下の記事も参考になさってください。

打ち上げ

打ち上げ

「4日間のOPIワークショップ報告記事~参加者の声を添えて~」  http://www.acras.jp/?p=947

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