『外国にルーツを持つ女性たち 彼女たちの「こころの声」を聴こう!』に込めた思い

12月12日に、「外国にルーツを持つ女性たち 彼女たちの「こころの声」を聴こう!」が出版されました。『外国にルーツを持つ女性たち」3冊何年も前から、書いては捨て、書いては捨て・・・を繰り返しながら、やっと今年3月に最終原稿を仕上げました。

 

10年以上にわたって関わってきた秋田県能代市の方々とは、最初はOPI(Oral Proficiency Interview:口頭能力インタビュー試験)を活用した調査がきっかけでした。毎年実施していく中で、次第に私とのインタビューを楽しみにしてくださり、フォローアップインタビュー、さらには終わってからの「おしゃべり」の中で、ご自分の人生を語ってくださるようになりました。

「のしろ日本語学習会」<ママが勉強している傍で、僕も一緒に・・・>

「のしろ日本語学習会」<ママが勉強している傍で、僕も一緒に・・・>

 

マジョリティである日本人のちょっとした一言による苦しみ、温かい支援によって「苦悩」を切り抜けた経験……こうしたことを多くの方々に知っていただき、本当の意味での「多文化共生社会とは何か」について考えるきっかけにしてほしいと思い始めました。日本語教育関係者ではなく、一般の方々に一人でも多く、「外国にルーツを持つ女性たち」の思いを知って、「何が、今、日本社会で起こっているのか」について気付いていただきたいと考えました。

 

多文化共生社会とは、日本人、外国人の区別なく、「すべての人が、その人らしく、ありのままの

「のしろ日本語学習会」では月1回、「読み聞かせ隊」の方々が来てくださいます。

「のしろ日本語学習会」では月1回、「読み聞かせ隊」の方々が来てくださいます。

自分でいきいきと暮らすことができる社会」だと考えます。それが、「活気ある日本社会」を

つくることに繋がっていきます。そんな社会をつくるためにも、マジョリティである日本人の意識が変わることが求められています。まずは知ることから始まります。どうぞ関心のある章から、ちょっと覗いてみてください。そして、良かったら感想をお寄せください。皆さまとの「対話」を楽しみにしています。

聞いている子どもさん達も、どんどん引き込まれていき、ついに前に出てきて~~~。

聞いている子どもさん達も、どんどん引き込まれていき、ついに前に出てきて~~~。

 

 

 

 

 

 

【あとがき】より

手を振ってるんじゃないPNG

 

 

【目次】

第1部  日本人と結婚した外国人女性の声を聴こう!

   能代で暮らせてよかった!

 

第1章  「藤里町のアイドル」になった幸子さん(韓国出身)

いかにして「町の人財」になったのか

 

第2章    地域社会に支えられ、「生きる力」をもらったニーナさん(ロシア出身)

離婚しても、4人の子どもとともに能代で!

 

第3章    日本文化を伝えたい冬美さん(中国出身)

「厄払いの和服体験」から「着付けコンテスト出場」へ

 

第4章    言葉の壁を乗り越え、「親子三人」の生活を築いていったアルマさん

(フィリピン出身)

日本語・英語・タガログ語ということばの壁を越え……

 

第5章 介護士という資格に支えられた路子さん(中国出身)

夫亡きあとも、子どもたちと能代で!

 

第2部  子どもたちを地域社会の“人財”にしよう!

 人との出会いが人生を変える!

 

第6章 小学生の息子が「特別支援学級に」と言われたマリヤさん(フィリピン出身)

「日本語ができるようになりたい!」という思いで……

 

第7章 長男が入学前検診で「普通クラスは無理」と言われた英子さん(中国出身)

12年後、国立大学に推薦入学!

 

第8章 能代に住む高校生たちの活動と学び

放送部 ビデオ『ココロをつなぐ教室』は、宝もの!

 

第9章 能代で外国人とともに生きる

大切なのは「人間交流」!

 

第3部  二つの文化をプラスに生かす女性たち

 戦争、移民という歴史を乗り越えて

第10章 中国帰国者の娘として道を切り開いていった美恵さん(中国出身)

一段ずつ階段を上がり、今では「しいたけ工場」の経営者に!

 

第11章 「日系ブラジル三世」として浜松の町づくりに励むクリスチーナさん

二つの文化の懸け橋になりたい!

 

第12章 仲間と作った寸劇「ブラジル×日本 融和のあゆみ」

「移民の歴史」、考えてみませんか

 

第4部  「日本で暮らす外国人女性たち」の過去・現在・未来を考える

  日本語教育の視点から

第13章 彼女たちは、なぜ、今、「日本の地域社会」で暮らしているのか?

社会的背景、世界の動きの中で考える

 

第14章 ボランティアによる「地域日本語教室」から国・自治体へ

社会で「声」を持つために言葉を学ぶということ

 

第15章 プロジェクト「写真で語る私の歴史」で学んだこと

当事者の「こころの声」は宝もの!

【あとがき】より

張さんの詩

 

Comments are closed, but trackbacks and pingbacks are open.