絵本『きょうから がいこくで くらすことになった』~日本での生活は『ドラえもん』の世界とは違ったけれど……~

『きょうから がいこくで くらすことになった』という絵本が、6月28日、テレビ静岡で放映されました。これは、インドネシア出身のニズマ・リズキさんが日本での実体験をもとに作った「専門学校の卒業制作作品」です。文章も自分で書き、絵も一つ一つ思いを込めて描いていきました。リズキさん松葉さんと

 

昨日、リズキさんと浜松でお会いして絵本を見せてもらい、絵本への熱い思いを知ることができました。今、彼女はより多くの人に読んでもらいたいと、ある計画を進めています。

 

 

■日本に留学してみて思ったこと

~憧れの日本での生活は、「ドラえもん」の世界とは大違い!

 

リズキさんは日本の漫画の世界に憧れたことがきっかけで、日本、日本文化に関心を持つようになりました。そして、「こんな国に将来2017-07-06 (1)住みたい!」と決心して日本に来たのですが、実際に暮らしてみると~~~。現実の生活は、大好きな『ドラえもん』の世界のように「すごく簡単に仲良くできる世界」ではありませんでした。淋しくもあり、ちょっぴり悔しい気持ちにもなったリズキさんでした。

 

リズキさんの初来日は、2011年4月でした。希望に燃えて日本語学校で勉強し始めましたが、1年後、志半ばで故郷のロンボックに戻ることになりました。でも、インドネシアに帰国してもう一度真剣に「自分にとって日本に留学することの意義は何だろう」と考え始めました。

 

「夢に見た日本での生活は、漫画の世界とは違っていた。でも、やっぱり私の夢を叶えてくれるのは日本。もう一度チャレンジしよう!日本にもっと長くいれば、すばらしいことがあるかもしれない」

 

そしてもう一度日本留学にチャレンジすることにしたのです。

 

 

リズキさん表紙■浜松で見つけた新たな可能性

    ~卒業制作に「絵本」を!

 

「先生、浜松に来たのは『運命』ですね」と、リズキさんは語り始めました。2013年4月から1年間浜松日本語学院に通い、卒業後は浜松デザインカレッジに進み、3年間グラフィック・デザインを学びました。こうして日本語力を磨き、専門的にデザインを学んだリズキさんは、専門学校卒業後、すぐに地元の広告会社に就職することができました。

 

そして、就職した「モカ・チャイ」の社長さんや仲間達に、専門学校の卒業制作作品である絵本『きょうから がいこくで くらすことになった』を見せたことがきっかけで、リズキさんの周りの多くの人々がこの絵本の存在、リズキさんの思いを知ることとなったのです。

 

「先生、出版っていうか、売り上げの利益は考えていません。多くの人に読んで

もらって考えてもらいたいと思っています。だから、いろんな図書館に寄付した

いんです。中央図書館とか、大学の図書館とか……」

 

そのためには、今、「クラウドファンディング」を考えているのだそうです。8月末か9月初めには、それをスタートさせる予定で、着々

楽しそうにインタビューを受けるリズキさん

楽しそうにインタビューを受けるリズキさん

と準備を進めています。ただ人に頼るのではなく、インターネットを活用して「クラウドファンディング」で支援者を集める……そのバイタリティに感動しながら、リズキさんの出版に向けての話に耳を傾けていました。

 

 

■「はまぞう」のブログで絵本紹介~さまざまな地元のネットワーク

 

この絵本は、テレビ静岡だけではなく、「はまぞう」という地元のブログ会社のホームページにも写真とともに紹介されています。少し引用させていただきます。詳しくはこちらをご覧ください。➡ http://privacy.hamazo.tv/e7517595.html

 

この本に書かれた内容は、実際に彼女が経験した「真実」のようです。

とても残念ではありますが、どこに行っても、こういう「残念な弱い人」はいます。

  うわべだけで、人を判断したり、人を「差別」するのは人として最悪ですね。

この「本」をもっと多くの方に読んでもらいたい。

そんな「願い」で、今後、クラウドファンディングを使って、この「本」の製作費を募

るそうです。

これから日本にやってくる外国人はもっと増えるのです。

日本は、こういう外国人の皆さんの「お力」があって、回ってゆく国になるのです。

  リズキさんが経験したこの「嫌な思い」を他の外国人の皆さんに感じさせることのな  

いよう、多くの日本人の皆さんにこの「絵本」を読んでいただきたいと思います。

 

今日から、外国で

■絵本を覗いてみると……

~実体験に基づく「ことば」には力がある!

 

期待に胸を膨らませて日本での生活を始めましたが、やがていろいろな体験をすることになります。

・空いている部屋があるのに貸してもらえない

・周りの人に声をかけようとしても、避けられる

・電車の中でひそひそと「外国人?怖い……」「近くに座りたくない」と言われるあの人は僕たちと

 

「あの人たちは僕たちと違うから」という言葉を聞いて、「なぜ違うのかな」と考え始めます。

 

 

 

 

ある時、素敵な人との出会いがありました。「私も、昔知らない外国に行った時同じような経験していたよ。だから、あなたの気持ちがわかるの」と語りかけ、自分の家に連れていってくれました。晩ご飯のときには、友達も集まってきて、「どこから来たのー?」と温かく声をかけてくれたのです。

 

「一緒にご飯を楽しく食べること」は、とても楽しいことだと改めて思います。それまでの淋しさ・辛さ・悔しさは、もうどこかへ飛んで行ってしまいました。少しずつ不安は消えていき、心の中が温かくなっていきます。晩ご飯は、大好きなたまご料理が出て、さらに心がポカポカになっていきました。みんな優しくpng

 

写真も載せましたが、最後のページの言葉を記したいと思います。

 

確かに見た目も言葉もちがう。

けれど、

みんなお母さんから生まれてきた。

みんな大切なひとがいる。

みんな夢や希望を持っている。

 

姿、カタチは違うけれど

たまごみたいに、

中身は一緒じゃないか。

 

♪   ♪   ♪

皆さん、絵本『きょうから がいこくで くらすことになった』のごく一部をご紹介しました。ぜひ多くの方に絵本を手に取って読んでいただきたいと思います。クラウドファンディングの準備ができましたら、ご案内いたします。ご支援いただける方は、どうぞお願いいたします。アチコチの図書館に置いていただく予定です。図書館でこの絵本に出会ったときは、ちょっと手に取ってお読みいただければ幸いです。リズキさんの想いが絵本の1枚、1枚から伝わってくることと思います。確かに見た目も言葉も違う

 

 

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