入門講座受講中に、区内のさまざまな日本語教室が見学できる!~横浜市中区のボランティア入門講座~

横浜市における外国の方の割合は2.3%、そして一番多い中区では、10人に1人が外国人という状況です。こうした地域だけあって、中区ではいくつもの日本語教室が熱心に活動し、また、毎年日本語ボランティア入門講座が開かれています。この講座に関わり始めて5年が経ちました。

 

総人口    外国人の数(割合)<2016年12月1日現在>

横浜市   3,732,092人  86,596人 (2.3%)

横浜市中区  151,358人  15,978人(10.6%)

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■日本語教室間のつながり~ゆるやかなヨコのつながり~

 

はじめの頃は、中区にあるボランティア団体の代表者が集まって話し合う「中区内ボランティア日本語教室連絡会」に私も参加していましたが、区内のさまざまなボランティア日本語教室が集まって話し合うことは、とても大切な機会だと感じました。話し合いでは、それぞれの日本語教室の現状報告・課題などを中心に情報共有・意見交換をし、さらには、「ボランティア入門講座で、2~3分で自分の日本語教室を伝える」というワークをし、「教室紹介シート」を作成していきました。こうしてみんなでボランティア入門講座を作り上げていきました。

 

改訂中区ボランティア日本語教室2017.1 png

 

 

■入門講座受講中に、自由に日本語教室参加~体験を通して、選択する楽しさ~

 

この講座の特徴の1つは、入門講座1日目に、中区で活動する日本語教室の代表者が来て、「教室の実施IMG_1408日・特徴・めざしていること」などを紹介することにあります。そして、それを聞いた受講生は、時間帯を見ながら、それぞれ自主的に計画を立て、見学にいくことができます。「百聞は一見にしかず、されど百見も一験にしかず」という言葉通り、自らその教室に入って、参加している外国の方々と触れ合うことが一番です。

 

こうして、養成講座参加者は、3か月の講座期間中にいくつもの教室に出かけていって自ら体験し、修了後の活動の場を見つけていくことができるシステムになっています。全国に多くの日本語教室がありますが、ボランティア活動をスタートする前に、区内にあるさまざまな日本語教室を自由に見学し、参加し、そして自分の生活(時間帯・曜日・形態)や考え方に合った活動の場を選べるという環境は、他にあまり例がありません。ぜひこうした動きがアチコチに広がっていくことを願っています。

 

 

■先輩が受講生を「活動の輪」に誘う~「タテ」のつながりが、やがて「ヨコ」のつながりに~

 

各日本語教室を紹介するために集まった方々の中には、私が関わり始めた年に養成講座を受けた方もいらっIMG_1410しゃいました。早いものであれから5年・・・といろいろ考えさせられました。

「私は5年前に入門講座を受けてすぐに教室に飛び込みました。今日はぜひ新しい方に入っていただきたいと思っています。嶋田先生の『日本語ボランティアって、楽しいですよ』という声に背中を押されてボランティア活動を始めました。ホント楽しいですね。大変な面もありますけど……」とニコニコしながら話してくださいました。

また、今年は代表による教室紹介に加え、「活動を始めて1年目の方の経験談を聞く」という新企画もありました。受講生は、「同期といっしょに見学にいける安心感」「スタート時点で感じた戸惑い」「ボランティア活動に関わっている楽しさ」等に真剣に聴き入っていました。こうして先に始めた人が、これから始めようという人に思いを伝え、また次の人へ・・・と次々に人の輪ができていくのは、とても素晴らしいことだと改めて思いました。そのためには、内向き志向の閉ざされた教室ではなく、「開かれた日本語ボランティア教室」であることが大切なのではないでしょうか。

最後に、去年修了の方と5年前に修了なさった方の声をお届けします。

 

<1年前に入門講座修了>

 

何も分からないで入門講座を受けました。いろいろ地理的なことや時間的なことを考えて、3つほど見学にIMG_1412行かせていただきました。何よりも日本語教室の地図があって、詳しい情報があり、しかも講座の中でメンバーの方から直接お話を聞けたのは、ありがたかったです。その上で現場に行ってみたり、参加したりできたので、とっても参考になりました。

また、一人で行くのは不安ですし大変ですが、入門講座の同期の仲間と一緒にいろいろな日本語教室を見学に行けるシステムは、とても良いと思います。

 

初めてやった時のことなんですけれど~~~。入門講座修了してすぐ、ある日本語教室に見学にいきました。どうぞ参加してくださいと言われたので、どきどきしながら学習者に接したのですが、とてもレベルが違う人たちでした。どうしたらいいかと必死でした。ところが、ある人が欠伸をしたんです。それを見て、私は頭が真っ白になってしまいました。「ああ、私のやり方では…」とがっくりしてしまいました。希望に燃え、すごく張り切っていたんですが……。

でも、落ち込んだ私ですが、すぐに入門講座の内容を思い出しました。

「わくわくしますよ。年齢なんて関係ない。やりたい時が<やり時>」という嶋田先生の言葉を思い出して、次の週出かけていきました。いろいろ準備をして……。そして、その回は、前の週とは全然違う教室になりました。「一喜一憂してはいけないんだ!すぐに諦めてはいけないんだ!」ということを知りました。

今では、たとえ欠伸をされても、「昨日は寝不足だったの?」と冗談っぽく聞くことができるようになりました。つまり、相手が、たとえ自分が思ってもいなかったことをしたり言ったりしても、受け入れられるようになったんだと思います。それは、私自身が成長したということなんだと思います。これも、日本語ボランティア教室のおかげです。

 

 

<5年前に入門講座修了>

 

もう5年も前のことになりますね。入門講座の途中で見学に行きました。そうしたら、見てるだけじゃなくて、ちょっとやってみたら、と。「いやまだ終わっていないのに……」とは思ったのですが、汗かきながらやってみました。こういうシステムがあるから、入りやすかったと言えますね。私は、入門講座中に見学に来る人にも、「とにかく隣りに座って参加してください」と言っています。自分の目で見て、その場で体験することが一番いいですから……。

 

実は、教室のある前の日、いや、場合によっては、2日前から頭をボランティア教室に切り替えます。どんな参加者が来るか分からないので、いろんなことを考えて、資料を用意します。大変なことはありますけど、現場はホントに楽しいですね。

 

各ボランティア日本語教室が紹介の時に使ったもの

各ボランティア日本語教室が紹介の時に使ったもの

 

 

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