「愛和学院 第1回公開ラボ」のお知らせ(9月9日)

 「愛和学院 第1回公開ラボ」のお知らせ  お知らせ<9.9 ラボ案内

 

愛和学院『できるにほんご』の授業風景①

愛和学院『できるにほんご』の授業風景①

9月9日、博多にある愛和学院で、「公開ラボ」が開かれます。主催者の深江新太郎さんは「開催にあたり」で、次のように書いていらっしゃいます。

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日本語教育が過渡期を迎え、日本語教師もまたその社会的価値を問われる時代です。私たちに何ができるのか。その応えは教室活動でかたちになります。だからこそ、対話を通してその応えをさがしたいと思います。対話、とは自分と他者の間にいまだ見えない価値を見出す想像的な営みです。私たちは開かれた場所で開かれた知へ、そして創造的な実践へたどりつきたくて、公開ラボを行います。第1回は、嶋田和子氏とともに、初級授業デザインの真髄へ迫ります。

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私が深江さんと出会ったのは、ちょうど6年前のある夏季講座でした。講座のタイトルは「もう避けて通れないアカデミック・ジャパニーズ」、私は広義のアカデミック・ジャパニーズの重要性、初級から求められるアカデミック・ジャパニーズについてワークショップを行いました。『みんなの日本語』をどう使えば、「真の日本語能力」の涵養に結びつくのか……。深江さんは、ワークショップが終わって1カ月後に、こんなメールをくださったのです。それが深江さんと私との「対話」の始まりました。

<深江さんからのメール(深江さんの許可をいただきましたので、
一部を載せさせていただきます)>

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あの時の研修以後、約1ヶ月、絶えず「じゃぁ、何が出来るの?」という問いを胸に授業を行なってきました。今回、お便りを差し上げたのは、その一つの結晶が出来ましたのでご報告したいと思います。

以下のように取り組みを行ないました。

1.みんなの日本語第32課 「~でしょう。~かもしれない。」終了後、同じ課のトピックを行なう。

2.トピックの「100年後何が出来ると思いますか。」という問いに対する学生の答えを回収。

3.回収した答えを、一つにまとめ、学生に配布。

4.「では、100年後、何が必要だと思いますか。」という問いを与え、3の資料をもとに学生が考える。

    (同時に、「~が必要だ、~が必要だと思う」という表現を導入)

5.学生が書いたものを回収し、文法のミスを訂正し、「文集」として配布。

今回、3(「21世紀はこうなる」)と5(「22世紀へ」)のファイルを添付しています。

添付したファイルの文は、文法上の誤りは全て訂正しています。ですが、彼らが成し遂げたことに対しては何の修正も加えていません。

〔対象となったクラスは、初級ですが、初級以上の知識(「運用能力」も含めて)を持った者もいます。〕

研修以後、「いったいどこを目指したらいいのか。」という迷いは、「彼らに何が出来るのか。」という問いに変わり、漠然としてとらえていたAJの輪郭が見えてきたように思います。

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その後も、メールでの「対話」、学会の大会や実践フォーラムでお会いしての「対話」など、いろいろな「やり取り」がありました。そして、昨年『できる日本語』が誕生してからは、このシリーズを軸として新たな「対話」が始まりました。今年4月4日には、博多の愛和学院で『できる日本語』についてお話しする機会がありました。(「博多の日本語学校で『できる日本語』説明会」http://www.acras.jp/?p=261) その時深江さんがおっしゃった「私は、九州にさわやかな風を吹かせます。『できる日本語』で人をつないでいきたいと思っています」という言葉は、ずっと胸に残っていました。「なんて熱い先生なんだろう!」と。

そして、6月に深江さんから、「こんな学内研修会をやりました」というお知らせをいただきました。それは、学内研修「初級授業における創造性とは何だろうか?―『できる日本語』と場面以前の存在」でした。私は、学内での「対話」の輪の広がりに強い感動を覚えました。

さらに輪を広げて生まれようとしているのが、今回の「公開ラボ:初級授業デザインの真髄にふれよう~『できる日本語』」です。こうして「対話」の輪がどんどん広がっていくことで、日本語学校の新たな可能性、先生方のネットワーク構築が生まれてくることでしょう。

皆さん、ぜひ「公開ラボ」にご参加ください! みんなでどんどん「ネットワーク」を広げていきましょう。

 

 

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