21年前の卒業生、中国で大活躍~一人でも多くの中国人に日本を知ってほしい~

20年ぶりに会った「イーストウエスト日本語学校の卒業生:陳駿雷さん」は、いくつもの名刺を持って、中国で大活躍するビジネスマンに変身していました。さまざまな苦労もあったことでしょう。何度も岐路に立ったことでしょう。それを乗り越え、「一人でも多くの中国人学生に、日本を知ってほしい」と、日本留学サポートに力を注ぐ陳さんのことをお伝えしたいと考えました。

 

■「どうしても海外で学びたい!」と、大学を中退しての日本留学

陳さんは、中国で大学に通っていましたが、「日本留学にチャレンジしよう!」と申請を出しました。それは、当時中国には「大学卒業後5年間は海外に出てはいけない。大学で学んだことを中国の社会にお返ししなければならない」という規則があったからなのです。少しでも広い視野で学びたい、海外にも目を向けたいと思っていた陳さんには、「卒業後5年間は中国で・・・」という縛りは、残念に思われました。

 

「今ではこんなルールがあったこと、中国の若者も知らないですよねえ。それは、僕が留学した後しばらくしてなくなりましたが……」と、時代の移り変わりに感無量の陳さんですが、彼が留学を決めた1992年から今までの二十数年間で、中国は大きく変わりました。その中で、彼は自分を磨き、常に「今のこと・これからのこと」を考えながら勉強や仕事に力を尽くし、人の輪を作りながらしっかりと歩んできたのです。

 

 

■日本語学校のクラスメートと「想定質問集」を作って受験勉強

陳さんに関する思い出はたくさんありますが、同期の親友張さんとペアで受験勉強をしている姿は、今でも忘れられません。2002年に日本留学試験(EJU)に代わりましたが、その当時は私費外国人留学生統一試験というものがありました。陳さんと張さんは、世界史の勉強に関する「想定質問集」を作って、ロビーで、空き教室でお互いに問題を出し合ったりしながら勉強していました。

※「私費外国人留学生統一試験」には、「英語・数学・世界史・物理・化学・生物」の科目がありました。

 

いくつものビジネスを手掛け、大活躍の陳さん

いくつものビジネスを手掛け、大活躍の陳さん

進学した先も同じ大学となり、またまた仲良く大学時代を過ごしました。「仲間がいたから、大変なことも楽しいことに変わりました。あれからずっと良い友達で、これまでビジネスも一緒にやってきました。日本留学があったからこそ開けた道ですね。だから、他の中国の若者にもそんなチャンスが自分のものにできるよう、サポートしたいんです」と語る陳さんは、今、日本留学関連のビジネスに燃えています。

 

■「日本への留学/日系企業のサポート」をしたい!

では、仕事について少しお話ししましょう。大学・大学院(修士課程)で経済学を学んだ陳さんは、2001年に上海に戻りました。もっと研究を続けたい気持ちも強かったのですが、「今の大きく発展しようとしている中国で仕事をしたい!」と考えたのです。帰国後は、銀行、メーカー、コンサルタント会社、日本商工会事務局など、さまざまな仕事を経験しました。それは、将来の日本留学サポートや日系企業コンサルタント関連の仕事に大いに役立ちました。

 

陳さんが今やっている仕事の一つに「四海留日」があります。

http://www.microsofttranslator.com/bv.aspx?ref=SERP&br=ro&mkt=ja-JP&dl=ja&lp=ZH-CHS_JA&a=http%3a%2f%2f54hai.cn%2f

この機関では2014年7月に「日本大学連合試験」を開始し、その後第二回を11月に実施、第三回は2015年4月に予定されています。そして、日本語力が不足している学生には、半年間N2合格をめざして日本語学習をサポートするというシステムです。「連合試験」はまだ始まったばかりであり、試験の質の問題、運用上の問題など、これからクリアしなければならない課題はいろいろあることでしょう。でも、きっと長い年月共に活動し続けた「日本語学校時代の親友」とともに、陳さんはこれからもチャレンジし続けることでしょう。

 

 

■一人でも多くの若者に、日本に行って日本を知ってもらいたい!

「先生、まだまだ中国では日本留学に関して正確な情報をつかんでいない人が多いんですよ」と彼は、情報面での課題について話してくれました。

 

1つは、「とにかく日本留学は高い」と思い込んでいる人が多いということだそうです。奨学金制度なども情報をしっかりキャッチして、「そのためにはどうすればいいのか」を伝えたいと陳さんは言います。

 

もう1つは、中国の学生達は「私立大学はレベルが低い」と思い込んでいることをあげていました。つまり中国の私立大学の歴史は20年、まだ質が十分でない所もあるようです。そこで、日本の私立大学に対しても、そんな中国大学事情で見てしまうと言うのです。「日本の私立大学の歴史は長く、素晴らしい学校も多いですよね。早稲田だって、慶應だって100年の歴史があるのに・・・」

 

そして最後に彼は、こんな夢を語ってくれました。

 

「中国と日本の関係をもっともっと良くするには、一人でも多くの中国の若者に日本に行ってほしいと思うんです。まずは行って、見てほしい。一度日本に行った学生は、『また行きたい!』と言いますよ。ましては、それがただの旅行ではなく、そこに住んで、勉強する留学生となると、もっと理解は深まります。だから、僕は中国から多くの学生を送りたいと思っています。これからも頑張りますよ!」

陳さんと中井さんと記念撮影(中井さんは、陳さんの初級クラスの担任でした)

陳さんと中井さんと記念撮影(中井さんは、陳さんの初級クラスの担任でした)

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