シンポジウム「会話能力テストを語る」<3.26:筑波大学東京キャンパス(茗荷谷)>

3月26日(木)、筑波大学東京キャンパス(茗荷谷)にて、シンポジウム「会話能力試験を語る」を開催致します。これは、科研(基盤研究(A)日本語会話能力テストの研究と開発:国内外の教育環境及び多文化地域社会を対象に)の2014年度最終活動として実施するシンポジウムです。

基調講演には柳瀬陽介氏(広島大学教授)をお迎えし、「テストとは受験者と試験者を共に試すもの」というタイトルでお話をしていただきます<詳しくは講演要旨をご覧下さい>。 なお、資料など準備のため事前の参加申し込みを下記のウェブサイトより早めにお済ませください。
参加申し込み: http://jopt.jpn.org/p5.html ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 2014年度 JOPT活動報告シンポジウム   ■ 日時:2015年3月26日(木)13:00-17:00


■ 場所:筑波大学(東京キャンパス)134講義室 [access] <http://www.tsukuba.ac.jp/access/bunkyo_access.html


■ プログラム: 「会話能力テストを語る」 


1. 13:00~13:15 趣旨説明 鎌田修(南山大学,JOPT代表)


2. 13:15~14:45 講演 -講演者:柳瀬陽介(広島大学)[HP] <http://seeds.hiroshima-u.ac.jp/soran/e253b2d/

    -演 題:テストとは受験者と試験者を共に試すもの-言語熟達度評価の歴史-共同体性について-


3. 14:45~15:00  休憩


4. 15:00~17:00 パネルセッション:司会:嶋田和子   テーマ:様々な会話能力テスト

西川寛之(JOPTについて)

鎌田修 (OPIについて)

菅長理恵(外国人児童生徒のためのJSL対話型アセスメントDLAの会話テストの構造と測定能力)

野口裕之(言語テストの世界的動向と会話能力テスト)

 

■ 参加費: 無料。
■ 参加申込:下記のウェブフォームに必要情報を入力し,送信してください。

        定員200名(定員に達し次第,締め切らせていただきます)
■ 問い合わせ:李在鎬(筑波大学,lee(atmark)intersc.tsukuba.ac.jp


[講演要旨] この講演では、「わかる」・「できる」・「会話テスト」の三つのトピックを原理的に検討します。「わかる」とは何かという問いは、「意味」と は何かという問いと直結します。講演では神経科学のA.ダマシオと哲学のJ.デューイに基づき、意味の身体性と生活世界性を確認した上で、哲学のJ.L. オースティンと社会学のN.ルーマンの議論を翻案して、表の意味・裏の意味・全体的意味という用語でコミュニケーションのプロセスを説明します。説明によ り、意味のどの側面においても参加者それぞれの自己参照(自己準拠)が関わることを明らかにし、「できる」の検討につなげます。「できる」という概念は、 そのまま能力概念につながりますが、講演では言語学・言語哲学のチョムスキー、デイヴィドソン、ハイムズ、ヤーコブソンのコミュニケーション論を概括した 上で、コミュニケーション能力は個人還元も標準化もできないことを論じます。「会話テスト」の検討においては、言語再生 (language reproduction) と言語使用 (language use) の区別をした上で、会話のテストは言語使用のテストであるべきと論じます。会話での言語使用の様子によって言語熟達度を判定する会話テストは、その言語の 歴史-共同体性に基づく観察といえますが、その観察をさらに観察(二次観察)することより、判定者がその言語の歴史-共同体性をどのようなものとしてみな し・みなそうとしているかが露わになります。テストという観察を、二次観察することにより、テストという制度的権力創成の試みは、より「客観性」を高め、 権力が民主化すると論じます。  短い字数で講演内容を要約すれば、このように抽象的でやや難解な表現になってしまいますが、講演ではできるだけわかりやすく、具体的にお話するつもりで す。当日はスライドを投影しますが、印刷しますと大部になりますので、会場で印刷媒体で配布することはしません。講演当日までには、ブログ(http://yanaseyosuke.blogspot.jp/)<http://yanaseyosuke.blogspot.jp/> にスライドをアップロードしておく予定なので、講演前あるいは講演中にダウンロードしていただければ幸いです。     [講師紹介]  広島大学教育学研究科教授(英語文化教育学講座)。主に、コミュニケーション能力や英語教師の成長などのテーマで研究を進めています。ウィトゲンシュタイ ンやアレントやルーマンなどの哲学的概念枠組みを主に使い、英語教育現場の豊かな知恵をできるだけ言語化することを試みています。具体的な実践を抽象的な 用語で再理解し、実践をより根源的に変革し多面的に展開できるように努めています。教育・研究上の情報は、できるだけブログで公開するようにしています。

jopt2015シンポジウム 

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