12月10日、JASSO(日本学生支援機構)のウェブマガジン『留学交流』に以下のような論考がアップされました。
「非漢字圏学習者に対する日本語指導―「学ぶこと・教えること」の抜本的な見直し―」
今、アチコチで「非漢字圏学習者が増えたから、日本語教育の現場は大変だ。これまでのやり方では通用しないし……」等という声をよく耳にします。現象を一面的に捉えるのではなく、自分たちがやってきた「これまでのやり方」そのものを見直すことが最優先なのではないでしょうか。そんな思いを込めて書きました。
フェイスブックにリンクを張ったところ、さまざまなご意見を頂きましたので、ここにいくつかご紹介したいと思います。また、ご参考までに論考の項目建てを記しておきます。
1. はじめに
2. 出身国・地域別学習者数の変化
3. 非漢字圏学習者の急増によって生じた現場の課題
4. 学習者の主体的な学びを重視した日本語教授法
4-1 「場面・文脈化の重視」で生きた日本語を学ぶ
―<はじめに文型ありき>を捨てる!
4-2 学習目標を明確にする
―Can-do-statementの活用で達成感アップ
4-3 キャリア・デザインとして日本語学習を考える
―「なぜ日本語を学ぶのか」という問い
5. 楽しく、効果的に漢字を学ぶ―「漢字は友達!」にする工夫
5-1 漢字の接触場面から学ぶ
―漢字の3分類法とは?
5-2 漢字の覚え方を工夫する
―パーツに注意して、[Make story!]
5-3 学習者の自律的な学びを引き出す
―学習者の力を信じ、「寄り添う」ことを大切に!
6.まとめと今後の課題
♪ ♪ ♪
◆拝読いたしました。おっしゃる通りだと思います。学習者が変わったのだから、教える側も変わらなければなりませんよね。
◆私も嶋田先生のご意見に賛成です。現在は中級~上級の漢字語彙を教えていますが、自ら「考える」をモットーに常にピアで授業を行っています。やはり、そのほうが学生の反応も全然違いますね。
◆とても興味深く拝読しました!今、外国人のための「からだで学ぶ漢字ワークショップ」と「ライフプランニング・ワークショップ」を別々に作っていますが、一緒に出来るかもしれませんね。またアドバイスいただけると嬉しいです。
◆先生に教えていただいた、”Make your story!”の呼びかけは本当に有効です。「介」の字を見て、「イ(人)と反対を向いた人をつなげる」と言った学習者がいました。お見事!にとって楽だと言うだけの話。
◆この中の、漢字の教え方について、興味深く拝読しました。非漢字圏の学習者にとって漢字学習は困難だと言う思い込みが、特に日本国内の日本語指導者の中にある様な気がします。それは思い込みに過ぎません!難しいのは学ぶ側ではなく、教える側の問題でしょう。
私は、第一時間目から、漢字を授業に導入していますが、はっきり言ってこれは、お絵描きとイマジネーションの世界です。「象形文字」などと言う難しい表現は抜きに、「さあ、これは何でしょう!」と「人」「山」「川」「木」辺りから始めると、取っ付きが良いです。木が二本で「林」で三本で「森」、森の方がうっそうと茂っている感じがよく分かるでしょう。「女」のとんがりはオッパイ(ピカソ風)、などと言って教えると、忘れませんね。「女」が3人集まって「姦しい」なんてのも教えてしまうので、私の生徒達は変な漢字を沢山知っています(笑)。独創的な創作漢字も多いのが難点ですが(爆)。
私は、漢字指導はとっても楽しいと思うんです。中国人(台湾人、香港人含む)の生徒もいますが、意味がすぐに通じるのは便利ですが、それだけの話です。つまり、教える側… →(続く)
◆かつて米国の研究者数十名との懇親の場で、簡単な漢字と部首との表を配り、簡単な実例を解説してから、好きなように組み合わせて漢字を作って貰いました。皆さんの楽しい創作を発表しつつ、宴会は盛り上がりました。「女」がついた文字が目立ちましたよ。外国語ができないと、日本語の独自性に気づいたり、漢字の面白さを比較したりして楽しむことはできないでしょうね。
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