対話で進める「横浜市・地域日本語教室事例発表会」~「わたしたちの教室」の魅力さがし~

ポスター発表前の3分間メッセージ

ポスター発表前の3分間メッセージ

金沢国際交流ラウンジ

金沢国際交流ラウンジ

こんにちは・国際交流の会

こんにちは・国際交流の会

外国人親子カンガルーサロン

外国人親子カンガルーサロン

横浜市国際交流協会

横浜市国際交流協会

1月19日、戸塚の男女共同参画センター横浜で「横浜市・地域日本語教室事例発表会」が行われました。これまでは基調講演と口頭発表という形式でしたが、「できるだけ参加者間のやり取りを多くしたい」ということで 今回は「ポスター発表とディスカッション」という形になりました。

とはいえ、「ポスター発表ってどんなふうにすればいいのだろう?」「ディスカッションはどう進めたらいいだろう?」と発表者も少々不安なスタートでした。しかし、蓋を開けると、素晴らしいポスターが出来上がり、準備万端。10日の準備会議ではお互いに意見交換をする中で、次第にイメージが湧いてきました。私は、第2部のファシリテーターとして参加しましたので、少しご報告したいと思います。

プログラムは以下のとおりです。

14:00 開会    

発表者による「3分間スピーチ」

14:15~15:00  

  第1部 ポスター発表

・金沢国際交流ラウンジ日本語部会

・特定非営利活動法人こんにちは・国際交流の会

・鶴見国際交流ラウンジ外国人親子カンガルーサロン

・平成24年度教室実習型研修(YOKE)

15:15~16:30   

日本語教育の専門家をまじえたディスカッション

16:30 閉会

ポスター発表が始まると、それぞれのポスターの前で真剣に話を聞く人、机の上にあるファイルや資料に関して質問する人、オリジナル教材を手に取って見入っている人・・・自由な空気の中、次第に対話は盛り上がっていきました。一つのポスターが終わると、それぞれ付箋紙にコメントを書いてその場を立ち去り、次のポスターへと移動していきました。

参加者から頂いたコメント

第2部のディスカッション・タイムでは、まずは発表者が「参加者との対話で気づいたこと・感じたこと」を語り、そのあとは、ファシリテーターから付箋紙に書かれたコメントを紹介していきました。さらには、金沢国際交流ラウンジが行った「学習者によるアンケート」の報告があり、いかに学習者のニーズ調査が重要か、支援者の思いとのズレなどについて気づかされました。参加者からたくさんの貴重なご意見、コメントをいただき、「ディスカッション・タイム」は有意義な時間となりました。ぜひご紹介したいところですが、ここでは参加団体についてのご紹介・コメントにとどめます。どうぞ主催団体である横浜市国際交流協会(YOKE)による報告をお楽しみに!(YOKE:http://www.yoke.or.jp/)。

会場全体を使って発表者と参加者の対話が進んでいきました   第2部発表者と参加者との対話タイム
 

■金沢国際交流ラウンジ日本語部会

・1対1での学習支援とし、テキストも学習者との話し合いで行っています。しかし、月1回は「日本語でしゃべろう会」を実施したり、年1回「スピーチ発表会」をしたりするなど多様な活動を心がけています。

・横浜市立大学のキャンパスで行っているので、市大生との交流もあり、活動も多様です。こうした大学との連携による日本語教室がもっと増えていくといいのですが・・・。

・図書館で学習者が「外国語の絵本の読み聞かせ」をしていることは注目に値します。紹介したい絵本の翻訳がない場合には、学習者が協力して翻訳を行うこともあるそうです。「学習者にとっても、とてもやりがいのあること」だと担当者は語ってくれました。

■こんにちは・国際交流の会

・今年20周年を迎える団体ですが、最初からオリジナルテキストを作って活動していました。この団体は、当時から「文法を教えるのではない。彼らが出合う場面を大切にした教材を作ろう」と努力してきました。また、教材は常に新しいものを取り入れながら、改定に改定を重ねていることは素晴らしいと思いました。

・教案とタスクシートは、事前に見せ合い、ボランティア同士で話し合いをしていきます。発表会では、たくさんのファイルを並べ、参加者と熱く語り合っていました。

・2013年4月に記事を書きましたので、ご覧ください。→「「日本に来てよかったな」「鶴見に来てよかったな」と思ってほしい!」http://nihongohiroba.com/?p=3038

■外国人親子カンガルーサロン

・この団体は、実習型研修を受講した3人が「子育て中のお母さんたちを支援したい」と研修終了後始めたチームです。「手遊び歌/親の日本語・子どもの遊び/子育て情報」などが柱となっています。

・参加者からは、「「親子で学べる日本語教室」は素晴らしい。ぜひもっとさまざまな所で始めてほしい」といったコメントがいくつも寄せられました。

・小さい子どもと一緒にカンガルーサロンに参加している日本人のお母さんは、ペーパーでこんな感想を寄せてくれました。「私は日本語教師として働いていた経験が活かせ、娘は異年齢、多国籍、バックグラウンドの違うお友達に囲まれ、毎回の読み聞かせ、手遊び歌を楽しみに通っています。親子共々こちらでリフレッシュできるので、生活に張りが出ます」

■横浜市国際交流協会  →今回ポスター発表があった「平成24年度教室実習型研修(日本語教室)横浜で暮らす人のための初期日本語教室」に関しては、YOKEのホームページに詳しく出ています。そちらをご覧ください。

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今回のテーマは「「わたしたちの教室」の魅力さがし」です。異なる価値観を持った人々、団体とふれあい、対話を重ねることで、自分自身がよく見え、良さ・課題が浮き彫りになってきます。事例発表会では、たくさんの対話が生まれ、新たなネットワークが生まれ始めています。この小さな芽を大切に育てていきたいものです。

皆さん、ぜひご自分の実践を発信してください。発信すれば、対話が生まれ、そこから連携が始まります。そしてまた発信をし、さらに大きなネットワークが生まれ・・・。それはやがては大きな輪となり、社会を変えていく力になっていくことでしょう。

 

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