皆さん
6月1日は、モンゴルで「子どもの日(母と子どもの日)」です。そこで、モンゴル日本センターで調整員業務に携わっていらっしゃる藤野紀子さんに「モンゴル便り」をお願いしました。「では、今日中に!」とお写真と一緒にレポートを送ってくださいました。藤野さんのスピードに感動!
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Хүүхдийн баярын мэнд хүргэе!(子どもの日、おめでとうございます!)
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毎年6月1日、モンゴルでは「子どもの日」で祝日です。子どもの権利を尊重し、成長を祝うことを目的に1952年から「子どもの日」としてお祝いすることになったそうです。その後1995年、モンゴル国大統領によって「母と子どもの日」となり祝日となったそうです。2003年に再び「子どもの日」と戻したそうですが、今も「母と子どもの日」という意味でお祝いされています。この日は、モンゴル国大統領や教育・文化・科学・スポーツ大臣から子どもたちに対してお祝いのメッセージが贈られます。
この日は祝日ですので学校も公共機関も休みです。子どもがいる家庭では、子どもも母親もおめかしをして家族みんなでお出かけしますが、子どもたちがはしゃぐ姿が何とも微笑ましく、見ているこちらも幸せな気持ちになります。街の目抜き通りは車輌通行止めになり歩行者天国となります。車はヘッドライトを点け子どもの権利を尊重することを示し、例えば三つ子を出産した、はたまた5人、6人、7人の子どもを産み育てた母親には大統領から勲章が与えられる・・・、モンゴルの「子どもの日」は、そんな国家一大イベントとなっています。
市内中心部にあるスフバートル広場や遊園地にはいくつかのステージが設けられ、歌やダンス、有名な歌手による歌のプレゼントなど様々な催し物が繰り広げられます。アイスクリームやジャンクフード、ゲーム、おもちゃ屋さんなどのブースが立ち並び、夜には花火も打ち上げられ、それはそれは街中がお祭り騒ぎとなります。
子ども達にはプレゼントも贈られます。子どもの日の2週間ぐらい前からスーパーやデパートの食料品コーナーにはお菓子の詰め合わせが並べ始めます。お菓子の詰め合わせの他、おもちゃや絵本なども喜ばれるプレゼントです。そしてモンゴルでは家庭でお祝いする際に欠かせないのが、ケーキです。家では美味しいご馳走を食
べたり、ケーキを食べたりして過ごします。
社会主義時代には、国が18歳以下の子ども達に両親の職場からプレゼントが配られていたそうです。民主化以降も、親の職場でイベントを計画・実施されたりプレゼントが用意されたりしています。ウランバートル市内には、「子ども劇場」や「子ども図書館」など子どもに関する施設が多いのですが、これは社会主義時代から続く「子どもは国の将来・未来をつくる宝」という、大人が、国が子どもを育てるんだ、大事にするんだという考えが残っているのではないかと個人的に感じています。
しかし、今年は残念なことに新型コロナウイルス感染拡大防止のため、イベントは行われませんでした。それでも街には着飾ったご家族が手をつないで歩いていたり、レストランで食事をしたりするご家族を見かけました。また、高校生や大学生などは友人と街に繰り出している光景も見られました。今年はどこか寂しい「子どもの日」でしたが、この困難な時期を乗り越えて9月の新学期には学校で子どもたちの元気な姿が見られ、元気な声が響き渡ることを願わずにはいられません。
最後にモンゴル国大統領X.バトトルガ大統領からのメッセージの冒頭と最後の一文をご紹介します。(出所;インターネットニュースサイト”gogo”より)
「モンゴルの未来を築くすべての子どもたちに幸せな国際こどもの日。
国はあなたたち子どもから始まります。両親を大切にし、友人や
親戚を愛し、助ければ、私たちの国の未来はより明るくなるでしょう。
(中略)
モンゴルのこの広大な草原にいるあなたたちが、永遠の空の恵みに
よって、笑い、喜び、幸せに満ちあふれますように。」
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【参考】
海外だより<コロナ禍に向き合う>第1回「モンゴルだより」
記事の最後に紹介された「動画」(学校を超えた先生方の協働)は、今も増え続けています。
https://www.youtube.com/channel/UCbGc38Ts7gWMzucEY_gKXkA