OPIミニミニ入門講座のご報告(2017.8.19)

毎年8月のアクラス研修は、OPIミニミニ入門講座です。今年も、例年通り「OPIの研修を受けたことがない方」を条件に、3時間の研修を行いました。

話をする講師(嶋田)

話をする講師(嶋田)

内容は、入門編ですので、例年とあまり変わりませんが、聞いた(見た)OPIインタビューは異なります。昨年は、被験者KさんのOPIを使用しました(ビデオ)。それは、「ビデオ撮りしたOPIインタビュー」を使って、被験者Kさんとテスターの表情などにも注目して見ていただくこと、また、フィードバックのあり方も知っていただきたいと考えたからなのです。

 

今年は、被験者LさんのOPIを使用し、学習者の発話を評価する時のクセ・自分自身の言語教育観などに注目していただきたいと考えました。レベル判定は、全くOPI研修を受けたことがない人が大半である中、「中級上4、中級中11、中級下1」という評価結果(判定は中級中)。「なぜそう考えたか」をペアで、次にみんなで話し合いをしていきました。これを使ったのは、『できる日本語』を使用していらっしゃる参加者が多いことから、教科書と被験者の発話との関連、OPIの考え方を授業にどう生かせばよいのかについても知っていただきたいと考えました。

 

では、今年もまた、「参加者の感想メール」をいくつかご紹介したいと思います。

 ※参加者の方から承諾を頂いています。

当日配布の資料 ➡ 資料 資料 OPIミニミニ講座(嶋田)2017.8 

♪   ♪   ♪

(1)

本日の感想を書かせていただきます。

判定結果は、あまり割れることなくできました

判定結果は、あまり割れることなくできました

本日はOPIミニ講座に参加させていただきまして、ありがとうございました。
導入とは言え、ほとんど知識のなかったOPIの理論、目的、運用方法を学ぶことができました。

口頭能力を測るのは主観的になりがちですが、OPIの判定基準は明確なもので、意図を理解しやすいものでした。それでもビデオを見たあとに自分で判定してみると、評価基準にない個人のこだわりで評価しようとしていたことがわかりました。助詞の使い方、時制を正しく使えているかなどの細かい文法に注目しがちで、コミュニケーション能力を総合的に見ることはかなり意識しないといけないことに気づかされました。また、ビデオのインタビューで被験者が話しやすいように雰囲気作りにも配慮しつつ、試験官がレベルを評価するために様々な質問をしたことが印象的でした。試験官のコミュニケーション能力を高める必要性も改めて感じました。

地域のボランティア団体に来る学習者はコミュニケーション能力を高めたい人が多いので、学習者の発話を引き出せるように今回学んだことを活かして行きたいと思います。

 

 

(2)

今日の研修で感じたことは

・「できる日本語」の初級~初中級~上級の縦のつながりの大切さ

  普段教えているところだけではなく、教科書全体の流れを把握することの大切さ

・○○ができない、ではなく、○○ができるという視点で学習者を見ること

 つい、どうして?なぜできない?と学習者を見がちですが、できた!の視点で学習者を見ること

・学習者が分からない事をすぐに教師が言うのではなく、学習者に考えさせること

・「教師の発話はすべて学習者のタスクになる」これが一番心に残ったことです。

 中級を教えていますが、なかなか社会的な意見が言えない学生が増えている中、

 授業の進め方が難しいと感じています。日本語学校で学んだからこそ社会的なこと

 を考えるチャンスだと考え、社会的な意見が言えない学生でも教師からの質問の仕

方によって自らその問題について考えることができるようになるのでは?と感じま

した。OPIでの質問と同じように、授業中でも学習者の発話を増やしていく教師の発話とは?

という視点を常に忘れることなく、日々の授業に生かしていけたらと思いました。

 

(3)

OPIとカウンセリングと日本語教育とがどう関わるのだろう、とずっと思っていました。
今回、研修に参加して、とてもよくわかりました。
1 カウンセリングマインドがないと、外国人の話が聞けない。自分ばかりしゃべることに。
2 OPIをする、しないに関わらず、外国人を教えるときに、その人の日本語力を評価していないといけない。
そんな思いになりました。
2については、評価がないと、「i+1」ができない。
あの後から、外国人の日本語を聞くたびに、OPIの評価をつけている自分です。

 

 

(4)

先日は、すばらしい研修会を開いてくださりありがとうございました。

私は3年前、ベトナムでOPIの存在を知りましたがあまり詳しくは知りませんでした。

今回のOPI研修に参加し、テスターがどうやって受験者のレベルを判断しているか、

どのような流れで次の質問をしているか等、本当に多くの学びがありました。

また、OPIの概要だけでなく、OPIをどうやって普段の授業で活かしていけばよいのか、も知ることができ、本当に濃い3時間でした。

これからも学習者が話したくなるような雰囲 気づくりや仕掛けづくりをどんどんやっていきたいと思いました。

                           

(5)

OPIミニミニ講座の感想ですが
OPIを実践するまでは到底たどり着けなくても、OPIが何ぞやが分かれば
授業展開も自然と変わっていくと思いました。
まだまだ文法詰込み型の授業から抜け出せない授業をしている講師
ぜひOPIの基本中の基本を伝えたいと思いました。
また、評価方法も「自分の解釈ではこうだ」「初級と設定されている学生と比べたら」等ではないことを
知り、今まで当たり前だと思っていたものが間違っていたと分かりぜひ伝えたいと思いました。
「井の中の蛙」が改めてわかった時間でもありました。
「can do」ではなく「can not」をしていませんか?
この言葉は胸に突き刺さりました。

                                 

                                 ・

(6)

座に参加した後、すぐに考えたことは、勤務先の学校の会話試験を見直さなければ!ということです。
今まで行っていた会話テストが、いかに偏った能力を測るテストであったかを痛感いたしました。
ちょうど夏休みが明けて、学校で会話テストについての話し合いが始まったところで、
学内の先生方とOPIについて学び直しながら、「新」会話テストについて話し合いを進めているところです。
OPIの考え方を生かして、学生のモチベーションを高め、励みになるような会話テストにしたいと思っています。
また、私自身の学生の発話に対する意識も変わりました。学生の「can not」ばかり言う・・・という教師はまさに私のことでしたが、
OPIの視点から学生の発話を聞いてみると、意外と話せているなあ~と感じることが多くなりました。
今まで「初級」の表現しか使えない、と思っていた学生も、実は十分中級レベルに達していたんですね。
今までの自分を反省する毎日です。
たくさんのことに気づくことができ、今後日本語教師を続けていく上で、指針となる講座でした。

 

 

 

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