日本語教育関係のシンポジウムや学会の大会などを通して、いろいろ人がつながっていることをお伝えしたいと考え、函館でのエピソードを記させていただきます。(※勘田祐花さんに承諾を頂いています)
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函館科研会議(JOPT=日本語会話試験)の最終日、函館ベイエリアのスターバックスで「北海道教育大学4年生の勘田祐花さん」とお
会いしました。
勘田さんとは、5月に早稲田大学で行われた日本語教育学会春季大会の懇親会で、初めてお会いしました。それは、学会が昨年から始めた「『わかば』なあなたに」という新企画が大きな役割を果たしてくれました。
「『わかば』なあなたに」には、具体的には「大会コンシェルジュ」「わかばさんいらっしゃい」「ぷらさdaわかば」の3つの特別プログラムがあります。また、「わかば」の定義は、以下のようになっています。
「わかば」なあなたとは
・日本語教育を学ぶ大学生・大学院生の方
・日本語教育に関わり始めたばかりの方
・日本語教育の経験は長いけど、研究を始めたばかりの方、研究をやってみたい方など・・・
勘田さんは、その特別プログラムを見て、「学部生の私達が日本語教育学会の大会に出かけていっても、大丈夫かな」と少々不安を抱きながらも、友達と二人で遠路はるばる東京に出かけて行きました。参加して大正解!
「わかば」のネームプレートを付け、アチコチ会場を紹介してもらったり、先生方を紹介してもらったりしました。そして、「地域日本語教育に関わっている日本語教育関係者」ということで、学会員の紹介で私の所に見えたのです。
懇親会では、とてもゆっくりお話しできる状況にはないため、「じゃあ、詳しくはメールで・・・」と言いかけて、「8月に函館で科研会議があること」を思い出し、彼女と函館で続きの話をすることをお約束したのです。
今回函館でお会いして、さらに「つながり」の大切さを感じました。実は、勘田さんが日本語教育の世界で仕事をしていこうと決心したのは、私が実行委員長を務め、2015年8月に函館で実施した「第10回OPI国際シンポジウム」のお手伝いをしたことがきっかけだったのだそうです。当時大学2年生だった勘田さんは、口頭発表のタイムキーパーを務め、空き時間にはOPIのデモンストレーションを見たり、パネルを聞いたりする中で、漠然とした日本教育への思いが少しずつ明確になっていったと言います。
この時のOPI国際シンポジウムの実行委員会では、「少しでも地元の大学生の方々が、多様な日本語教育関係者と出会う場を作りたい」「大学生の方々がいろいろな話を聞いて、幅を広げる機会にしてほしい」という考えから、北海道教育大学の伊藤美紀さんにお願いをして、学生さんへの呼びかけをお願いしたのです。(ボランティアで、ある時間お仕事をしていただき、あとは無料で自由にシンポジウムに参加する、という「参加スタイル」の提案です)。
今日のスタバでの懇談の際には、2年前のOPI国際シンポジウム予稿集を持っていらして、「先生、この部分、私はすごく印象に残っているんです」と、コメントを述べてくださったのには感動!こうした積極性がとても大切だと思いました。一昨年の函館での国際シンポジウム、その2年後の日本語教育学会春季大会での出会い、そして函館でのおしゃべり……、さまざまな「点」がつながって、いくつかの「線」となり、さらに「面」になろうとしていることをとても嬉しく思いました。勘田さんのこれからの夢を伺いながら、私の通ってきた道をお話ししたり、日本語教育の魅力・大変さ・やりがい・可能性……などについてお伝えしたりしました。
◆「わかば」な皆さんへ
ぜひどんどん学会に参加してみてください。いろいろな出会いがあり、これからの自分の道を考えるヒントを得ることができます。
◆日本語教育で活動を続けていらっしゃる皆さんへ
ぜひちょっと周りに目を向けて、「わかば」な方々と触れ合ってみてください。それが、
日本語教育の層をさらに厚くしていくのだと思います。
次の日本語教育学会は、11月25日(土)26日(日)、新潟朱鷺メッセで行われます。
また、函館でのOPI国際シンポジウムの次のシンポジウムは、2017年8月4日(金)・5日(土))台湾の淡江大学で行われました。このご報告は、予稿集がアップされた後、改めて行いたいと思っています。
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