地域日本語教育のリソースを共有しよう!~(公財)兵庫県国際交流協会が作成した教材のご紹介~

3月5日は、公益財団法人兵庫県国際交流協会(HIA)http://www.hyogo-ip.or.jp/

主催の「平成27年度地域に根ざした日本語支援を考える研修会」がありました。研修会のお知らせには、次のように記されていました。

 

 

現在、兵庫県には約9.6万人の外国人の方が暮らしています。外国人住民の定住化が進む中、地域の日本語教室で外国人住民、日本人住民が互いに学びあい、楽しむことが、共に生活するものとしてのつながりをつくりだします。

今回の研修会では、『できる日本語』シリーズの監修者であるアクラス日本語教育研究所の嶋田和子代表理事をお招きし、日本語学習をとおした社会参加や人とのつながりを、参加者のみなさんと共に考えていきたいと思います。

 

 

そして、私がいただいたタイトルは、「学習者も支援者も共に学ぶ日本語学習支援とは―人とつながる日本語学習は楽しい―」でした。<共に学ぶ><人とつながる><社会参HIA加をめざす>といったキーワードは、まさに私が長年大切にしてきたものでした。

 

今回は、早めに会場入りをして、HIAの活動についていろいろお聞きすることができました。そして、研修会から数日後には、HIAで作成された教材やパンフレットなど一式アクラスに届き、スタッフも大感激! これらはすべて、インターネットでダウンロードできることから、皆さまに「便利なリソース」としてご紹介したいと思います。どうぞこれらの教材を活用したり、こうした教材を参考にして「ご当地バージョン教材」をお作りください。日本語教室がますます楽しいものになっていくことでしょう。

 

 

 

■新しい教科書を作成『できる?できた!! くらしのにほんご』

 

これまでは「はじめに文型ありき」の教科書に頼っていましたが、「生活に役立つものを使いたい」という思いから、多くの方の協力を得て、HIAのスタッフが中心になって、『できる?できた!!くらしのにほんご』を作成しました。

 

外国の方々が安心して、安全に生活することができるように、実生活にリンクした日本語学習をめざしました。少しでも負担を減らそうと、そして多くの学習者に使ってもらいたいとの思いから「英語版・中国語版・ベトナム語版・スペイン語版・ポルトガル語版」の多言語化を図りました。すべてホームページからダウンロードすることができます。http://www.hyogo-ip.or.jp/jptext/

 

新しい教科書

新しい教科書

また、同教科書の付属教材『わたしの生活ノート』では、自分に必要な生活情報や個人の記録を書き込んでいくスタイルで、自分だけの生活ノートが出来上がります。

この教科書シリーズは兵庫県内の各日本語教室に配布され、現場に即したさまざまな使い方が期待されています。

 

 

 

■ガイドブック『家族を守る10のポイント!』

とてもシンプルに、必要な情報が過不足なくまとめられている点、素晴らしいガイドブックです。親子で母語をとおしても学べます。英語、ベトナム語、韓国語、中国語、フィリピン語、インドネシア語、タイ語、スペイン語、ポルトガル語の9言語があります。

 

アクラスに届いたワークブック

アクラスに届いたワークブック

内容は以下のとおりです。

1.地震

2.津波

3.台風

4.大雨・洪水

5.土砂災害

6.雷

7.竜巻

8.災害への備え

9.家族で話し合っておきましょう

10.覚えておこう!

ベトナム語母語教材

ベトナム語母語教材

 

 

 

■母語教材の充実~「ベトナムの昔話&日本の昔話」を知ろう!~

ガイドブック以外に、ベトナム語を見ると次のような教材があり、CDも作成されています。

1. 『みんなにつたえたいベトナムのむかしばなし』

2. 『ベトナムのむかしばなし問題集』

3. 『ベトナムの恋のむかしばなし』

4. 『日本のむかしばなし』

『ベトナムのむかしばなし』

『ベトナムのむかしばなし』

 

ちょうどアクラスにいらしていた日本語学校の先生方は「私達もぜひ『ベトナムのむかしばなし』を読んでみたいです。ベトナム出身の学習者が増えているんですけど、私達自身もベトナムの文化や習慣などをもっと理解すべきだと思っていたんですよ。こういうのがあるといいですね。さっそくダウンロードします」とおっしゃっていました。

http://www.hyogo-ip.or.jp/mtss/bogo/viet/

 

 

1990年4月1日に誕生したHIAは、その5年後の1月17日「阪神淡路大震災」に見舞われました。今回の研修会を仕切ってくださった財部さんは、次のように語ってくださいました。

 

 

阪神淡路大震災の経験を踏まえ、兵庫県では多くのボランティアの方が地域の日本語教室を築き、支え、HIAも多文化共生社会づくりを図ってきました。先の東日本大CD震災でも日本語教室が存在することの有難さ、大切さを感じ、HIAでは兵庫県の日本語教室空白地域において、市町と協働で日本語教室を設置し、まもなく全市町で日本語教室が開設しようとしています。兵庫県は広いので(全国12位)、なかなか全域に細かい支援というのは難しいですが、県の中心としてこれからも日本語支援の場やつながりを広げていきたいと思っています。HIAで作成した教科書もさまざまな形で活用していただけることを願っています。ガイドブック

 

 

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