第4回「書×芸EXPO」に参加して~チェさんの熱い思い~

 

以前、「ハングル書芸展での素敵な出会い」という記事を書きました。(2013.4.9)

http://www.nihongohiroba.com/?p=3010

これは、イーストウエスト日本語学校を15年前に卒業した崔尹禎(チェ・ユンジョン)さんが企画した書芸展でした。

 

鄭明子先生の作品「白頭山頌」

鄭明子先生の作品「白頭山頌」

そして、今日(10.13)の午後、六本木で開かれている「第4回 書×芸EXPO」に行ってきました。今回も鄭明子(ジョン・ミョンジャ)先生の素晴らしい作品がたくさん展示されていました。エネルギー溢れる大作、細やかな優しい筆遣いの作品……一つ一つに個性があり、魅力的な作品ばかりでした。

 

2年半ぶりに書芸展に伺ってびっくり! 今回は、鄭先生の作品だけではなくハングル書芸教室(ほたるの部屋)で学んでいる方々の作品もたくさん飾ってあってあり、まさに文化を通した日韓交流の場となっていました。

 

 

鄭明子先生の作品「陶山十二曲」

鄭明子先生の作品「陶山十二曲」

その中で、「平松直美さん」の作品をご紹介したいと思います(崔さんより写真掲載の許可をいただきました)。彼女は、書芸教室に参加するために、毎月名古屋から上京して、熱心にハングル書芸に取り組んでいました(最近になって名古屋にも新しくハングル書芸教室が開かれ、そちらも盛況だそうです)。

 

 

 

まだ始めて1年半ですが、見事な作品が展示されていました。直美さんの「ありがとう」と「あきらめない」の2つの作品をご覧ください。「ありがとう」の脇には次のような言葉が添えられていました。

 

     ◆   ◇   ◆

 

「ありがとう」李敏鎬

平松直美さん「ありがとう」(1年半)

平松直美さん「ありがとう」(1年半)

이 민호がファンに向かって書いた歌

고마워요ーありがとう

私にとって3回目の作品展。どちらの作品も言葉の意味を考えながら心を込めて書きました。今の私の心がそのままです。ㅋㅋㅋxxx

日本語で伝えるとちょっとはずかしい言葉も、韓国語ならストレートに表現できる気がします。

これからは基本を大切にしながら、カリグラフィーにも挑戦しつつ、私らしい作品を作っていけたらいいなぁと思っています。

   ◆    ◇    ◆

平松直美さん「あきらめない」

平松直美さん「あきらめない」

 

平松直美さん「あきらめない」コメントなど

平松直美さん「あきらめない」コメントなど

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

書芸作品展示だけではなく、10月9日~13日の会期中、毎日さまざまな教室が行われており、韓国文化に触れたり、体験したりできるようになっていました。ちょうど今日伺った時には、「ハングル篆刻教室」が行われていましたが、アチコチで見事な作品が生まれていました。

ハングル篆刻

ハングル篆刻

 

今回は、「韓服(ハンボク)を着てみませんか」というコーナーもあり、大好評だったそうです。これは、スタッフの1人が「家に寝ている韓服がたくさんあるので、良かったら『韓服着用体験』コーナーをしてみませんか」と提案し、始まったのだそうです。

 

崔さんは、大学院博士課程(早稲田大学大学院)で研究を続けながら、「AI Entertainment」という会社を軸に、「Asia Interest Culture Center」(http://aicc.aient.jp/)を主宰し、一歩一歩日韓文化交流を進めてきました。やっと博士論文も今年2月に修了し、これからは交流を大切にした仕事をどんどん広げていきたいと抱負を語ってくれました。文化教室、出版、展示会、テンプルステイ・ツアー(曹渓寺)…と、どんどんアイディアがあふれ出てくる崔さんです。

 

彼女の博論のテーマは「日本の中高年女性の韓流消費持続に関する研究―グラウンデッド・セオリーによる分析」

ハンボクを着てみることもできます

ハンボクを着てみることもできます

です。2004年4月3日の羽田空港に3,500人の女性が、ただひたすらペ・ヨンジュンに会うために集まっていた光景を見た時のカルチャーショックが、この研究の発端となりました。

 

韓国では想像もできない中高年女性たちの能動的集団行動とそのパワフルなエネルギーに圧倒され、「空港に集

まった女性たちはどういう人たちだったのだろう。いったい何が彼女たちを空港まで呼び寄せたのだろう」という問いが、自分自身の年齢とも重なり、どんどん深まっていきました。そして、博士論文作成へとつながっていったのです。47人にインタビューをし、質的研究を続けた崔さんは、「いずれは、こうしたデータをもとに、一般の方々にも知ってもらえるような本を出したいんです」と、次なる夢を語ってくれました。

 

そして最後に崔さんは、ハングル書芸への目覚めについて、こう話してくれました。

韓服を着て記念撮影(「独立宣言文」の前で

韓服を着て記念撮影(「独立宣言文」の前で

 

♪   ♪   ♪

 

学校でいわゆる書道はやったことはありましたが、ハングル書芸はしていませんでした。母が専門にやっていたのに、私は興味を示さなかったんですよ(鄭明子先生は、チェさんのお母様です)。でも、こうしてハングル書芸教室で熱心に取り組んでくる日本の方を見ていて、私は大きな刺激を受けました。感動しました。そして、私もやりたい!と強く思うようになりました。お互いにそれぞれの文化に触れ、その良さを知り、そして、一緒に何かをやっていくことって、大切ですね。

 

【参考】

博士論文を持ったチェさんと

博士論文を持ったチェさんと

名古屋では、11月23日(月・祝)に名古屋韓国学校にて第3回目のハングル書芸教室があります。
また、11月3日(火・祝)の名古屋韓国学校主催の文化祭では、鄭明子先生の作品や名古屋の受講生の作品が展示されるとのことです。

 

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