7月31日から三日間函館において行われた「OPI国際シンポジウム」は、大成功のうちに終了致しました。シンポジウムのテーマは、「OPI導入25周年を迎えて~多様なつながりとOPIの可能性~」でした。200人の参加者の間には、多様なつながりが生まれ、また、研究会間の絆も深まりました。
基調講演、パネルディスカッション、デモンストレーション、口頭発表・ポスター発表、ファミリアライゼーション、リフレッシャーワークショップと盛りだくさんの内容でしたが、いろいろな方から「とても内容の濃いシンポジウムだった」「いろいろ考えさせられる内容だった」など、嬉しい感想が寄せられています。
今回は、シンポジウム終了後、トレーナー会議を実施いたしました(8月3日、9時30分~12時)。そこで、さまざまな課題について話し合いました。以下、簡単にご報告いたします。詳しくは、今後実施される研究会の定例会などでご説明いたしますが、基本的にはワークショップにおける「新マニュアル使用」以外、大きな変化はないとお考えください(ACTFLにおける状況、最新情報に基づいた情報提供です)。
1.新マニュアルへの移行
2012年度版に切り替えとなります。翻訳が終わったばかりですので、現在は、簡易製本版しかありません。なお、内容的には旧版とほとんど変わりません。今後のことについては、ACTFLに問い合わせているところです。
2.「卓越級」の取り扱い
新マニュアルや新ガイドラインなどには、「卓越級」(Distinguished)が出ていますが、OPIの判定は、これまで通りです。
※これは、3で述べる日本式に限らず、アメリカで行われている新方式でも同様です。
3.ワークショップのやり方
来年度よりアメリカで行われている新方式に変えることを検討していました。しかし、新方式になると、受講なさる方にとって負担が増大し、内容的にも現行のやり方の方が良いことが分かりました。さらにACTFLにおいて「日本式ワークショップ」と称して、現行の方式を日本で継続することが認められていることから、今後も現状維持で行くこととなりました。新方式の特徴をいくつか挙げておきます。
・実技は、一人1回のみ(後半の2日間で実施)
・WS終了後、ウェブによるレイティングテストを受ける。
・レイティングテスト合格者は、さらに「スカイプによる三者インタビュー」を2回受ける。
※1回約1時間、被験者は受講生が探す。
三者=受講生、被験者、トレーナー
※新方式では、母語話者であってもWS終了後に電話でOPIを受け、超級話者であることを証明しなければなりません。しかし、「日本式ワークショップ」を実施する場合には、これまで同様必要ありません。
4.ロールプレイカード
「日本式ワークショップ」では、これまで通り「自作のロールプレイカード」も使用可能であり、また現在使用されているロールプレイカードも使用可能です。
5.トリプルパンチにおける「仮説」
リフレッシャーワークショップの際に、三浦トレーナーより「もしあなたが〇〇だったら」という仮定は使用してはいけないといったご指摘がありました。しかし、その後2日目総括の時間に、三浦トレーナーより「禁止というわけではないが、その後の展開が上級の発話(具体的なことを語る)にならないように気をつけてほしい」というご説明がありました。
ACTFL-OPIトレーナー 嶋田 和子
参考:函館トレーナー会議出席者
出席トレーナー:牧野成一、鎌田修、齊藤眞理子、三浦謙一、嶋田和子
欠席トレーナー:渡辺素和子
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