美しい日本語<書と声のコラボレーション>

連休最後の6日(火)に、代々木のオリンピックセンターにて「磯貝メソッド創造塾」主催の公演「Vocal Arts Theater No.4:日本語は美しい」が行われました。パンフレットの挨拶文に、代表の磯貝靖洋先生は今回の公演について次のように書いていらっしゃいます。http://www.isogai-method.com/index.html

 

Vocal Arts Theater No.4

Vocal Arts Theater No.4

「テーマは『日本語は美しい』と致しました。何が美しいのか?そうです。日本語は『音が美しい』のです。古来より受け継がれた美しい音です。美しい音声を忘れかけた現代人は、話す日本語の意味も分かりにくくなっています。また、パソコン上での文字に慣れた私達は当然『美しい文字の日本語』も忘れています。今回は『書と声のコラボレーション』という新しい試みも行います」

磯貝靖洋先生 & 「劇の日本語」に出演した渡辺響子さん

磯貝靖洋先生 & 「劇の日本語」に出演した渡辺響子さん

 

プログラムは、1.大和ことばの声を楽しむ、2.日本語の詩歌と語りの声、3.美しい日本語〝書と声のコラボレーション″、4.劇の日本語、という4部構成になっていますが、ここでは、第3部の〝書と声のコラボレーション″についてご紹介したいと思います。

 

私達は横書きの日本語に慣れ、印字された日本語に慣れてしまっています。そのことによって、本来縦書きだった日本語の特性が忘れ去られようとしています。第3部では、まず横書きの「わたし」を声に出してみました。次に、縦書きの「わたし」を読んでみました。同じく印字された字であっても、横書きと縦書きでは、言語の身体感性が異なります。

 

次に、「あいうえお」「アイウエオ」と、ひらがなとカタカナの読み比べ、さらには書の字による「あいうえお」「アイウエオ」が提示され、印字との違いをそれぞれが体験することになりました。書の字には、筆の勢いがあり、息遣いが感じられる生きた文字となっています。書の字からは、温かく、柔らかい感じが伝わってきます。そして、俳優さんは、その思いを声に乗せて読んでくれました。

 

さて次に、2人の若い書家が登場し、私達の目の前で字を書いていきました。最初のお題は、芹澤麻美子さんには「うるさい」、吉田修さんには「あめ」でした。全身の力を込めて書いているお二人の姿は、まさにアートそのものでした。これこそ私達が世界に誇れる日本文化の一つだと、会場が一つになって見守っていました。その後、俳優さんが、書いている書家の姿、書かれた文字から自分の感性で、字を声にしていきました。一人ひとり俳優さんによって、字から受ける印象、捉え方も異なります。その多様な美しさ!

 

芹澤麻美子さん「煩」吉田修さん「雨」

 

次に「今書いたものを漢字にしてください」というお題が出されました。吉田さんは「あめ」に対して「天」、芹澤さんは「うるさい」に「五月蠅い」という漢字を書きました。その力強さ、筆運びの見事なこと! そして、次なるお題は「もう1つ漢字を・・・」というものでした。そこで出されたのが、「雨」「煩」という漢字でした。どうぞ写真をご覧ください。

 

最後は、「こんにちは」「ありがとう」という書を、聴衆一人ひとりが声にしてみました。簡単な日常的に使っている日本語ですが、なんとさまざまな声があり、その字が私たちの心に訴えかけてくるものは、なんと多様なのでしょう。

芹澤麻美子さんと一緒に2014.5.6

芹澤麻美子さんと一緒に2014.5.6

 

書と声のコラボレーションというワークを通して、ふだんプリントされた無機質な日本語ばかり目にしている私達が、いかに音、声を意識することが重要であるかを改めて考え直す良い機会となりました。外国人のための日本語教室でも、こうした「生きている日本語」「生々しい日本語」に触れる機会を少しでも多く持ちたいものです。

 

縦書きの美しさ、手書きの美しさ、書の美しさ、そして、それを声にすることの美しさ・・・。「日本語の美しさ」について、もう一度真剣に考えてみたいと思いながら、会場を後にしました。

 

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 <お二人の書家にちょっとインタビューを・・・>

吉田修さんと一緒に2014.5.6

吉田修さんと一緒に2014.5.6

芹澤麻美子さん:

大東文化大学の大学院で書を研究しています。書を始めたのは5歳でした。実は、高校でも書道を専門にしていました。本当に書道は楽しいです。外国人の方にも書道をもっともっと理解してほしいと思います。

 

吉田修さん:

小学校1年から始めた書道です。小さい頃から、点と点を結んで線を作ったりするのが大好きでした。とにかく鉛筆で線を描くことが好きだったんですね。そして大学でも書を専門に勉強することになりました。今年3月に卒業して、今は、高校生に書道を教える仕事をしています。

「ありがとう」と「こんにちは」

公演終了後会場ロビーに貼られた作品を撮らせて頂きました。皆さんからHPに掲載する許可も頂いています。

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