先日、「らじおdeエキスポ」(9.27)に出演したヌリさん(韓国出身)の記事を書きました。
オンラインで、教室の大勢のクラスメートとの授業を楽しむヌリさん
~「らじおdeエキスポ」で知り合った「未入国の留学生」~
「らじおdeエキスポ」は、「さくらFM」の「SakuっとLa・ら・Ra西宮」という番組で、月曜日に行われているプログラムです(パーソナリティ:近藤冨士雄さん)。世界中で学ぶ日本語学習者が「自分の国の料理、町などの紹介」するものです。
10月25日に出演したのはベトナムで日本語を学ぶジエプさん。さまざまな点で、とても素晴らしい内容だったので、ジエプさんの先生であるラムさんにお願いをして、ZOOMでおしゃべりをすることになりました(ラムさんとは『できる日本語』を通した<お仲間>です)。では、ラジオ放送、そして、ジエプさんの話をお楽しみください。
♬ わくわくしながら日本語を学ぶジエプさん
~『できる日本語中級』の魅力を語る~ ♬
■ラジオ「生春巻きの紹介」で、自作の歌を披露
~日本語で、自分の国の文化を伝えるって、楽しい!
10月25日、「らじおdeエキスポ」に登場したのは、ベトナムのFPT大学で日本語を学んでいるチャン・ティ・ゴック・ジエプさんでした(放送ではチャンさんでしたが、この記事ではジエプさんとします)。毎回、自分の町や食べ物に関して、個性あふれるすてきな紹介があるのですが、ジエプさんも彼女にしかない魅力的な「生春巻き紹介」をしてくれました。まずはお聞きください(4分強)
素晴らしいと思った点はいろいろありますが、ここでは3つ挙げたいと思います。
1.紹介のあとに、とても自然に「生春巻きの歌」を歌っていること
2.聴き手の立場に立って、分かりやすく伝えていること
3.とても滑らかな話し方で、きれいな発音であること
1番に関して質問すると、こんな答えが返ってきました。
生春巻きの歌は、自作です。ラジオの原稿を書き終わった時に、メロディーが頭の中で浮かんできて、歌ってみました。ラジオの録音がもっと面白くなったらなあと思って、最後に歌を入れると決めました。
この発想、素晴らしいですね!それは、ジエプさんの日本語を学び始めたきっかけ、学び方に関係しており、また、2番と3番にも関係しています。
■日本語学習を始めたきっかけは日本のアニメ
~キャラクターのセリフをひたすら真似をして・・・~
ジエプさんが日本語に興味を持ち始めたのは、中学生の時であり、日本のアニメに関心があったのだそうです。
アニメのキャラクターのセリフがとても面白いので、いつも真似をしていました。
発音が気になりましたから、一生懸命真似しました。
このジエプさんの話を聞いて、ラムさんは「アニメをよく見る学生は、発音が良いと思います。特に、セリフを真似している学生は発音がきれいだと思います」と伝えてくださいました。ジエプさんは、一度も日本に留学したことがありませんが、クセのない、自然な日本語で話をしてくれました。
そして、大学生になった今は、日本のドラマに夢中です。ドラマを見ることで、日本人の生活を知ることが出来、とても楽しいと言います。一度も日本に行ったことがない大学生が、小さい時から日本文化・日本語に親しみ、楽しみながら学んでくれている姿に触れ、とても嬉しくなりました。
「本を読むことが好き/日本語が好き」というジエプさんは、将来は、日本語を使って「本に関係のある仕事」をしたいと夢を笑顔で語ってくれました。
■『できる日本語』の楽しさを語るジエプさん~四技能がバランスよく学べる!~
ジエプさんは、大学で、『できる日本語』を使って勉強しています。今日現在『できる日本語 中級』16課だそうです。そこで、ちょっと感想を聞いてみました。
この教科書は、よく日常の中で使われる日本語が出てくるので、役に立ちますね。私の授業に、翻訳の授業があります。いつも【知って楽しむ】は、ベトナム語に翻訳をしますが、楽しいです。14課の「江戸しぐさに学ぶ」は、特に好きな読み物です。
海外の大学では、その課の勉強をした後で、最後に【知って楽しむ】を翻訳の勉強に活用するというやり方があるのだと、今回知ることができました。また、話すことと聞くことが特に好きだというジエプさんは、『できる日本語』の聞くセッションがとても分かりやすく、楽しい!と伝えてくれました。「声も聞きやすいです」と、アニメのキャラクターの言葉を真似して日本語力を伸ばしてきたジエプさんらしい発言がありました。
大学での日本語の授業は、本当に楽しく、オンラインでもみんなでワイワイやっているそうです。「オンライン授業では、学生が顔を出してくれない」という声を聞くことがありますが、ジエプさんの大学では、もちろん全員顔を出して授業を受けています。しかし、ある時こんなことがありました。ジエプさん達は、ちょっと先生をびっくりさせたいと、あることを思いついたのです。
授業はオンラインです。先生は、みんなの顔を見て、授業をしています。ある日、クラスの皆さんは、顔は動かなくなりました。みんなが全く動かない。先生は、自分のインターネットが悪いと思って、クラスから出ちゃったんです。そして、またクラスに入りました。
(完全に「フリーズしてしまった」と思ったラムさんは、一旦退室してチェックをして入り直したのだそ うです)
みんなで楽しそうに学んでいる様子が、目に見えるようですね。
■ラム先生が語る『できる日本語』という教科書
~日本語だけではなく、いろんなことが学べる!~
今度は、一緒に私たちの話を聞いていらしたラムさんに「ジエプさんとのこと」について語っていただきました。「たくさんあるので、どれにしたらいいか・・・」と言いながら、「中級」【こんなときどうする?】の例を挙げてくださいました。
(実は、ラムさんはFPT大学で『できる日本語』で学び、今は、母校で『できる日本語』を使って教えていらっしゃるのです)
いろいろあるんですが・・・。例えば「こんなときどうする?」ですが、14課の時に、私がBで、ジエプさんがAになりました。それで、私がちょっと面白くしたかったので、ヤンキーっぽい客になって、言い方も雑にしました。それに対してジエプさんはものすごく丁寧に「じゃあ、家まで配達しましょうか」と答えてくれました。それを聞いて、さすが今の学生はアイディアが素晴らしいな、って思いました。教科書を学びながら、どんどん話を広げていくんですよね。
次に出た例は、「中級」3課の【知って楽しむ:効率アップ!時間管理法】でした。
学生は、『できる日本語』から日本語だけじゃなくて、勉強の仕方も学べるんだと思いました。ここには、ポモドーロという、時間の使い方が出てきます。で、これを読んで、実際に、その時間の使い方をやってみて「勉強に集中しやすくなりました」と言ってきた学生がいました。25分集中して、5分休むっていう方法が勉強に役に立ったんですね。『できる日本語』は、こんなふうに日本語だけではなくて、いろいろ勉強できる、日本の文化とか日本人のライフスタイルとかも勉強できるのがいいと思います。
最後に、ジエプさんに、「これから日本語を勉強し始める人へのメッセージ」を聞いてみました。
日本のアニメやドラマを見てください。そして、話し相手を見つけてください。日本にいなくても、オンラインで外国人と話せるWEBサイトもあるので、そのWEBサイトを使って、日本人の友だちを探すこともできます。
「らじおdeエキスポ」のお陰で、ジエプさん、そしてラムさんとの「ZOOMおしゃべり」を楽しむことができました。ジエプさん、ラムさん、今度は日本でお会いしましょう!