イーストウエスト日本語学校では、今年も中野区ゼロホールを借りて、スピーチコンテストを実施しました。半数以上がオンライン授業を受けている学生さんであり、もちろんハイブリッド型でのコンテスト、しかも午前と午後に分けての実施となりました。
参考:昨年のスピーチコンテストの報告記事
ホールでのスピーチを聞いて、さらに来日の夢が膨らむ未入国の日本語学校生
~対面とオンラインのハイブリッド型スピーチ大会実施!(2021.9.7)
昨年は、3月に突然オンライン授業になり、それから半年後に実施した「ハイブリッドによるスピーチコンテスト」だったことから、先生方の準備も大変でしたが、2度目ともなると、皆さん余裕しゃくしゃく。すばらしい連携プレーでの実施でした。
午前のスピーチでは、去年入学した人が多いことから、オンラインでの参加者は、2名でしたが、午後は、2021年4月の入学者がほとんどであり、オンライン参加の学生さんが3分の2を占める結果となりました。「いつコロナが収束するか分からない。いつ入国できるのだろう」と不安を抱えての授業参加。そんな中で、真剣にスピーチを考え、練習し、発表してくれました。
午後のオンラインでの参加者の「思い」を少し紹介したいと思います。
★ワンさん
今は、日本に行けないので、ラジオ放送で「日本語による日常のおしゃべり」を楽しんでいるそうです。そして、料理が趣味というワンさんは、早く日本に行って日本料理を食べたり、作ったりしたいと語っていました。
<嶋田からのメッセージ>
ZOOMで授業を受けた後は、ラジオで「生の日本語」に触れているワンさん。
日本に来たら、どんどん地域の交流会やおしゃべり会に参加してください!
★チンさん
以前、乗鞍に旅行したことがあるチンさんは、まだ、入国することが出来ず、オンラインで勉強をしています。その時の楽しかったことを思い出しながら、日本に入国できたら、今度は、自転車で京都に行って、日本のさまざまなことを「自分の目で見て、自分の足で歩いて、自分の心で感じたい」と熱く語ってくれました。
<嶋田からのメッセージ>
チンさん、「自転車で京都に」とは、すてきな計画ですね。じっくり日本社会、日本文化を味わってください。来日できる日も、きっともうすぐ来ると思います。
★チョウさん
中学の時の経験を通して、「諦めなければ、きっといいことがある」と、語ってくれました。コロナ禍で、いつ日本に行けるか分からない状況下でも、明るい希望を持って学び続けています。
<嶋田からのめっせージ>
「諦めない。自分を信じること」という強い意志を持ったチョウさん。日本の専門学校で勉強したいことがありますね。「その夢」のために、がんばりましょう!
日本が好きで、日本で自分の人生を変えたくて、今か、今か~~~と日本行きを待っている留学生達。長い人は、昨年4月からもう1年半も「未入国の状態」で待たされています。彼らの時間は無限ではないのですが・・・。将来の大切な「人財」が日本留学を諦めてしまう前に、国として、何らかの方法を考えるべきではないでしょうか。そんなことを考えながら、留学生のスピーチを聞いていました。
今年は、皆さまに少しでも「コロナ禍の留学生達の思い」を知っていただきたく、入賞したスピーチ原稿をPDFですべて公開することとしました。どうぞご覧ください。
午前部
第1位 「ガッカリからワクワクへ」 アヴドシェンコ ダリア(ロシア)
第2位 「結婚は夢ですか」 チョウ シュンケツ(台湾)
第3位 「料理の力」 リ カ(中国)
特別賞 「私の俳句」
コヴァリョフ エフゲニー(ロシア)
午後部
第1位 「諦めない」 チョウ ウギ(中国)
第2位 「自転車で京都に行きたい」 チン タンカ(中国)
第3位 「助け合いましょう」 チョウ レイレイ(中国)
特別賞 「こころの金継ぎ」
デヴィソン ジョナス(アメリカ)
イーストウエストのスピコンは、クラス代表の発表者だけではなく、クラスの友だちの応援メッセージを大切にしています。去年、今年とコロナ禍ということから、大々的な応援メッセージはできませんが、温かい、個性溢れるメッセージが続きました。
司会ももちろんすべて学生さんが担当し、ポスターも毎年学生さんが作ってくれます。今年は、3人の学生さんが作ってくれました。
来年のスピコンこそ、全員がゼロホールに集って、ワイワイと楽しめるスピコンになることを願っています。