このたび門倉正美さん(横浜国立大学名誉教授)が、デイヴィッド・リーが2018年に出版した“Design Thinking in the Classroom”の翻訳をなさいました。
「現場の教育に新たな風を吹き込む1冊を!」という思いで吉田新一郎さんと翻訳を手掛けられたのですが、今回、諸事情で出版されないことになったそうです。
そこで、門倉さんは
せっかく翻訳をしたので、関心はあるけれど、英語版ではちょっと時間もないので、ぜひ日本語訳で読みたい、という方々のお役に立てるようにしたい。また、これを通してさまざまな「対話」をしていきたい。
という思いから、日本語訳を希望者にお配りすることになさいました。
申込先は、以下のとおりです。メールの件名と本文に「訳稿入手希望」と書いてください。
門倉正美さん masamikadokura@hotmail.com
では、門倉さんからのメッセージをお送りします。
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みなさん、こんにちは。
元・横浜国立大学留学生センター所属の門倉です。
嶋田さんが言われているように、私がみなさんにこの訳稿を通じて、お送りしたいのは、まさに「現場の教育に吹き込む新たな風」です。私は、以前から、教室空間が、学習者である留学生の社会的・経済的・文化的位置に無頓着な「閉じた空間」=「学校的約束事に閉ざされた空間」であってはまずいのではないか、と思っていました。
この訳稿がテーマとしている「教室におけるデザイン思考」は、教室を社会に開いて、「実社会の風」を入れることをめざしています。
日本では、「デザイン思考」はもっぱらビジネス界でもてはやされている「方法」になっていますが、本場のアメリカでは、スタンフォード大学を発信地として、高等教育のみならず初等・中等教育でも果敢に試みられています。
ご関心のある方々にお届けしたい、この訳稿では、韓国のインターナショナルスクール小学校課程のさまざまな教科で、生徒たちが「デザイン思考」に取り組んだプロジェクトが生き生きと紹介されています。
「プロジェクト」という言葉を使いましたが、「デザイン思考」は、近年、日本の教育界でもモットーとして掲げられている「プロジェクト学習」を行っていくうえで、きわめて使い勝手のよい「すぐれた方法」なのです。
さらに、「デザイン思考」は単に「方法」を提供するだけでなく、その「方法」によって学びを進めていくうえで大切な「マインドセット(心構え・考え方・行動様式)」を学習者が身につけるのにも役立ちます。
「プロジェクト学習・問題発見解決学習・デザイン・アクティブラーニング・協同学習」といったキーワードに関心があり、訳稿を入手したい方は、ぜひ上記の門倉のメールアドレスにご一報ください。その際、メールの標題と本文に「訳稿入手希望・お名前」だけ書いてくだされば結構です。おっくうになる挨拶文等は不要です。
折り返し、ワード添付ファイルで訳稿をお送りいたします。
今後とも、みなさんと「日本語教育へのデザイン思考の導入」について<対話>をする機会ができれば、うれしく思います。
門倉正美