2月3日(土)、栃木県国際交流協会主催の「日本語ボランティア情報交換会」がありました。この情報交換会は、<講話 & グループワークをとおして一緒に考えましょう!>という構成になっており、さまざまな機関の方々がつながり、主体的に学び合うことをめざして実施されています。私が関わって4回目となりますが、今回のテーマは「発話がはずむ教室づくり~適切な題材と「質問力が」決めて!~」でした。
栃木県国際交流協会に着いて打ち合わせのために資料をいただいた中に、「やさしい日本語バッジ」が入っていました。さらに、小林事務局長がこれまでの経緯をご説明くださり、またたくさんの資料をプレゼントしてくださいました。何と、これまで都道府県で「やさしい日本語バッジ」を自分達で独自に作って配布した県は初めてとのこと。2011年度より『やさしい日本語普及啓発』小冊子を作成したり、意見交換会、セミナー実施などを重ね、昨年「そうだ!住民の方に、一目でわかるようにバッジを作ろう!」ということになったのだそうです。「やさしい日本語ツーリズム研究会」のバッジのことに触れたところ、次のようなお返事が戻ってきました。
そうですね。「やさしい日本語ツーリズム」さんもなさっていますが、観光客の方に向けたインバウンド、私たちは外国人住民のためのコミュニケーションツールとして考えました。もちろんインバウンドでも活用できます。
もちろんいろいろな自治体で「やさしい日本語」に関する取り組みをしていますが、今回お邪魔した栃木の事例を、頂いたいくつかの新聞記事を引用しながら少し取り上げてみたいと思います。
■「朝日新聞:2018年1月10日」
県は日本人と外国人との交流を深めるきっかけにしようと、「やさしい日本語」の使用を呼びかけるリーフレットを作った。
タイトルは「みんなで『やさしい日本語』!」、A4版4ページ。英語、中国語、フィリピノ語、ポルトガル語、ベトナム語、スペイン語、ネパール語、タイ語の8言語版を作成し、市役所や図書館、大学など県内訳500カ所で計2万部を無料配布している。
■「下野新聞:2018年1月9日」
簡単な単語や分かりやすい表現を使う「やさしい日本語」で外国人と対話しようとする取り組みが県内で広がっている。県と県国際交流協会は昨年、独自のロゴマークを作り、県内3カ所でワークショップを開いて浸透を図っている。宇都宮市はやさしい日本語の普及を重点事業に位置付け、栃木市は今年2月からロゴマークを使用し始める。
■「下野新聞:2017年11月19日」
<浸透へ独自ロゴマーク>
ピンク色のマルに「やさしいにほんご」の白い文字。独自のロゴマークは「伝わる喜び」を表現したという。窓口に掲示したり外国人がマークを示したりし、外国人が話し掛けやすい環境をつくることが狙いだ。
■「朝日新聞:2017年3月14日」
地震などの災害発生時に、日本語に不慣れな外国人や、難解な言葉が理解しにくい子どもや障害者にも情報が伝わるよう、県は今年度から「やさしい日本語」で避難を呼びかける取り組みを始めた。
県は今年度から、災害時に県庁本庁舎内で流す館内放送で、やさしい日本語の活用を始めた。年2回の防災訓練で実践している。
昨年4月に障害者差別解消法が施行されたことも、やさしい日本語の導入を後押しした。担当者は「外国人だけでなく、難しい言葉が理解しづらい小学生以下の子どもや、障害のある人も無事に避難できるよう、いざという時の緊急放送はやさしい日本語で対応していきたい」と話す。
資料はすべて以下のサイトからダウンロードすることができます。
・やさし日本語リーフレット&ハンドブックhttp://tia21.or.jp/publications.html
・やさしい日本語ロゴマーク http://tia21.or.jp/1873.html
参考:
栃木県における国籍・地域別外国人住民数上位5位
※(対前年比)
1 中国 6,536人(0.6%増)
2 フィリピン 4,565人(10.7%増)
3 ブラジル 4,137人(2.6%増)
4 ベトナム 3,526人(31.1%増)
5 ペルー 3,077人(1.0%増)