ドラマを作り上げるって楽しい!―港北国際交流ラウンジのすてきな活動

港北国際交流ラウンジの前で2013.10.19

港北国際交流ラウンジの前で2013.10.19

10月19日、菊名にある横浜市港北国際交流ラウンジに「ブラッシュアップ講座」のために伺いました。「横浜市大豆戸(まめど)地域ケアプラザ」の2階にあるラウンジは、明るく活気に溢れていました。2時間の研修後、私はラウンジで行われているさまざまな活動について説明を伺いましたが、その多様さにびっくり! そして参加している日本語学習者の数、ボランティア数にもまたまた驚きました。

なにしろいくつもの教室をフル回転して、水曜日をのぞく毎日日本語教室が開かれているのです。その他にも「ニューカマー子どもの教室」「外国人ママ&パパの会」「日本の伝統文化のクラス」などがあり、またいくつかの「外国語教室」も開講しています。

土曜日本語教室の文集

土曜日本語教室では、毎年「文集」を作っています。表紙もみんな学習者が作っています。

その中で、私は土曜日の午後行われている「日本語学習者のためのドラマ教室」に強い関心を持ちました。地域のボランティア教室で「日本語演劇部(?!)」があるのですから、ただただ驚くばかり……。聞けば、2008年からやっている教室で、毎年10月に行われる「ワクワクまつり」で上演しているのだそうです。

きっかけは「イベントといえば、『外国人によるスピーチ』や『外国語教室』。もっと新しい企画がないだろうか」という問いかけでした。「じゃあ、日本語学習者が、自分達で企画して、日本語のドラマを作って、演じたらどうだろうか」と始めたのが6年前のことでした。それ以来、学習者も支援者も「ドラマを作り上げていく魅力」に取りつかれてしまいました。

ちょっと支援者の方の声をお届けしましょう。

劇『しらゆき姫に参加して(2012年度の文集から)

劇『しらゆき姫に参加して(2012年度の文集から)

Aさん:ドラマ教室で最初はひと言も話が出来なかった人が、毎週来て演じているうちにどんどん積極的になっていくんですよ。そのうちに皆で丁々発止、話ができるようになる。これは、演じることを通して、日本語で表現することが楽しくなってくるからなんでしょうねえ~~~。

Bさん:以前は引っ込み思案だった人が、この活動を通して、何にでも自分からチャレンジするようになったのを見て感動しました。パーティーのまとめ役や通訳を頼んでも、いつも喜んでやってくれるようになりました。

Cさん:そうそう今年なんて、どんどんアドリブを入れたり、自分でギャクを考えたり……。今年の『お猿の惑星』では、カニが猿に「今日こそ叩きのめしてやる。覚悟ぉぉぉ!」というセリフを勝手に「やられたら、やり返す。倍返しだ!」なんて言ってるんですよ。それから、「いつやるか」「いまでしょ」って切り返したり~~~。こんなに自由に日本語を操っているのを見てると、嬉しくなりますよね。

ドラマ①

2013年10月13日の「ワクワクまつり」で①

Dさん:ドラマをやって「敬語の使い方」がよく分かった、って言っていました。それは、場面と一緒に、そして関係がはっきりしている中で、何度も練習するからしっかり分かるんでしょうね。だけど、江戸っ子のべらんめえ調は、なかなかできないんです。仕方ないですよね。

支援者の方の話を聞いているだけで、日本語学習者の皆さんが、みんなで楽しそうにワイワイ言いながら劇を組み立てて、演じていく姿が目に浮かんでくるようです。ここには、日本語を使って、仲間と一緒に何かを作り上げていく楽しさがあります。そして、言葉とともに体を動かして自己表現する楽しさがあります。

今年は「ワクワクまつり」での上演だけではなく、外部からオファーがあり、12月にも菊名で公演予定だそうです。どうぞご興味のある方は、港北ラウンジまでご連絡ください。きっとすてきな「日本語ドラマの輪」が広がっていくことでしょう。

最後に、代表の方に「『港北日本語演劇部』のこれまで」について語っていただきました。

ドラマ②

2013年10月13日の「ワクワクまつり」で②

♪   ♪   ♪

2008年「意地悪ばあさん」
「意地悪ばあさん」の4コマ漫画にせりふを追加して、コント風にまとめました。主役の意地悪ばあさんは、日系ブラジル人と中国人の男性でした。

2009年「日本に来て、驚いたこと・こまったこと」
土曜クラスで「日本に来て、驚いたこと、困ったこと」についてアンケートを取り、それを基にコントを作成しました。
例①韓国では、スポーツジムの事を“ヘルス”というので、「この近くにヘルスありませんか?」と聞いたら、思い切り変な顔をされた。後で訳を知って恥ずかしくなった。
例②男子トイレにおばさんが平気で掃除に入ってきて驚いた。

ドラマ③

2013年10月13日の「ワクワクまつり」で③

2010年「港北ラブストーリー」
初めて本格的なドラマに挑戦。ロミオとジュリエットをベースに裕福な家庭に育ったお嬢様と、中国から来た留学生のラブストーリー。時間を戻すという事で、ハッピーエンドにしました。ストーリの展開や、セリフの一行一行、話し合って決めていきました。

2011年 「西遊記」
インターネットで見つけた、京劇「白骨精」のあらすじから、セリフの部分を抜き出し「西遊記」として上演。女性(?)の妖怪を男性が演じ、それ以来彼は、ドラマの虜に・・・出演者全員、長台詞をよく覚えて、支援者一同感動!

2012年「 白雪姫」
誰もが知っている物語にしようということで決めました。ミュージカルにしたいという希望もあったのですが、歌唱力不足で「ハイホー」の生歌のみとなりました。

2013年「お猿の惑星」
インターネットのオリジナル脚本サイトから選んだのですが、ドラマ参加希望者が、オリジナルキャスト3名多かったので、作者の了解を得て3役追加しました。出演者の演技だけでなく、一人の出演者が手作りした被り物や小道具が絶賛を博しました。

ドラマ④

2013年10月13日の「ワクワクまつり」で④

Comments are closed.