「著者との対話」(近藤彩さん・品田潤子さん)のご報告

著者の近藤彩さん

著者の近藤彩さん

1月24日(木)に行われた「<著者との対話>『課題遂行のプロセスで学ぶビジネスコミュニケーション』のご報告です。今回は、東京外語専門学校日本語科の先生が書いてくださいました。桑野さん、尾又さん、ありがとうございました!

著者の品田潤子さん
著者の品田潤子さん

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<著者との対話>『課題遂行のプロセスで学ぶビジネスコミュニケーション

                     報告者:尾又由利子 桑野幸子

参加者の多くは、現在ビジネス日本語の授業を担当している方でした。「日頃悶々としているビジネス日本語への思い」を胸に参加した方、「実際に『課題遂行のプロセスで学ぶビジネスコミュニケーション』を授業で使用中で、より効果的にテキストを使用するために著者のお話をお聞きしたい」ということで参加した方などが集まり、和やかな雰囲気の中著者との対話が進みました。前半はテキスト開発の背景や理由についてのお話があり、後半はタスク体験コーナーもありました。

◆テキストについて

設定はフィクションですが、タスク達成に向けて行う活動はとてもリアルです。巻末にCEFRのB2レベルを参考に作られたCan-do statementsがありますが、学習者は自己評価をすることで、何ができるようになったのか、引き続き目標とする項目は何かを確認することができます。

日本語テキストはB5サイズがほとんどですが、『課題遂行のプロセスで学ぶビジネスコミュニケーション』はA4サイズです。そしてカラー印刷で、表紙にもやわらかな色合いが使われています。これは、「持っていて楽しいテキストを」という著者お二人の思いがあったそうです。また、テキストに登場する人物が、実は某アイドルグループの○○や女優の△△をイメージして作られたという、面白いエピソードも伺いました。

◆まず経験!

この「まず経験」は今回お聞きしたお話の中のキーワードの一つでした。テキストでは、課題の一つ一つに取り組んでいくことと、日本語力を伸ばすことを結びつけるために行動中心のアプローチが取り入れられています。授業というと、「語彙や表現をしっかり導入して・・・」というように準備をしてからタスクに取り組むパターンもありますが、『課題遂行のプロセスで学ぶビジネスコミュニケーション』では、「まず経験」です。モデル会話もありません。たとえば聴解タスクでは、まずCDを聞き「何がわかったか、何がわからなかったか」を確認し、これを積み重ねてできることを増やしていきます。

近藤先生のお話では、日能N2レベルの学生でも、プレゼンのタスクまで進められたそうです。タスクに取り組む中で学習者が出てきた日本語がわからなかったとしても、それまでの経験から何を言っているのか理解できたりタスクができることもあるとのお話を伺いました。

◆教師もまず経験

教師の中にはビジネス経験やビジネス教育の経験がないので、ビジネス日本語は教えられないと考える人もいると思いますが、そういう教師もこのテキストをやってみるといいというお話がありました。タスク遂行は日本人にだって難しいものです。著者のお二人は、実際にある企業で8時間SWOT分析をするなどの体験もなさったとのことでした。

研修の後半で、参加者もグループに分かれ、テキストを参考にSWOT分析の体験をしました。グループごとに分析する企業(実在する日本企業)を決めてSWOT分析を進めていきましたが、夢中になりすぎて、ついつい時間を忘れてしまう場面も。今回はグループで一人観察者を決め教師目線での活動の観察や、体験後の気づきの発表、共有もしました。

◆おわりに

懇親会で

懇親会で

研修会最後に参加者全員で感想を述べ合ったり、著者お二人に質問をしたりしました。参加者からは、「教育と現場の壁がなくなるテキスト(タスク)だ」、「ビジネス日本語だけではなく、他の教育でも使える手法だ」などの感想がありました。2時間はあっという間に過ぎSWOT分析体験の盛り上がりも冷めやらぬまま、著者との対話はお開きとなりました。

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著者の方から、当日資料の掲載許可を頂きました。残念ながら参加出来なかった皆様、どうぞご覧ください。

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著者の話に聞き入る参加者

著者の話に聞き入る参加者

参加者同士の話し合い

 

活発にグループワークも・・・

活発にグループワークも・・・

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