2019年度産学共同(CASIO×MAU)「にっぽん多文化共生発信プロジェクト」、作品がアップされました!

カシオと武蔵野美術大学との産学共同プロジェクトは、2017年にスタートし、2019年度は第3回となります。このプロジェクトの趣旨は、以下のとおりです(サイト引用)。

 

本プロジェクトでは、日本における多文化共生社会の実現を目指した取り組みを取材し、それをドキュメンタリー映像にまとめ、公開しています。 また、公開を通じて、日本に暮らす人々の多文化共生への理解を促進するとともに、来日を検討する日本語学習者の日本への理解を推進することをめざします。

 

2018年度の作品および発表会については、カシオの社員でいらした吉田修作さんがレポートを書いてくださっています。プロジェクトの詳しい説明は、以下をご覧ください。

「カシオと武蔵野美術大学の学生さんが共同で制作した『ドキュメンタリー映像』」

http://www.acras.jp/?p=8609

 

プロジェクトの皆さん(作品発表会にて)2020.1.31

プロジェクトの皆さん(作品発表会にて)2020.1.31

実は、今回の5作品のうち1本は、「日本語教師としての私」を追いかけたものになっています。大学生の方々がアクラス日本語教育研究所、浜松市外国人学習支援センター、そして、イーストウエスト日本語学校と、3つの場所で10時間以上ビデオ撮りをし、それを10分の作品に仕上げてくださいました。

 

ただ時系列に編集していくのではなく、大切な箇所を抜き出し、たくさんのパーツを前にして、テーマ「つなぐ」を軸に「一人の日本語教師の生き方」を紡いでいくという大変な作業だったと聞いています。大学生の着眼点、頑張り、情熱……に感動しました。ここは、お二人の先生から頂いたメールを引用させていただきたいと思います(※お二人からは許可を頂いています)。

 

日本語の担当をなさった三代純平さんは、いつもは傍から温かく見守りながら、大切な局面では、同報メール、あるいは個人メールでご連絡をくださいました。

 

先週から一週間毎日10時間以上大学で編集しました。家でもやっていたので、200時間以上は編集にかけていると思います。映像の先生方のセリフは完全にコピーしていて、そらでいえるまでになっていました。ナレーションも作品にあわせて、試行錯誤し、何度もとりなおし、今の形にたどり着きました。はじめての映像制作で、いたらないところもあるかと思いますが、いま、彼女たちにできる精一杯を注ぎ込んだ作品になっております。

 

そして、大学1年生ながらチームのリーダーとして活躍した梶野さんのご家庭ではこんなことがありました。

 

梶野のお母さんが、映像を見て、自分も日本語教師をやってみたいと言ってくれたそうです。そういう人が増えていくといいです。また、そんな力のある映像なのではないかと思います。

「つなぐ」チームの皆さんと、出演してくださった内山さん(浜松)と森さんと(イーストウエスト日本語学校)

「つなぐ」チームの皆さんと、出演してくださった内山さん(浜松)と森さんと(イーストウエスト日本語学校)

お母様はきっと、梶野さんがご自宅で何度も何度も映像を見たり、ナレーションを工夫したりしている姿を見ておられたのでしょう。「つなぐ」をご覧になった方の中から、一人でも多く日本語教育の世界に足を踏み入れてくださることを願っています。また、映像作成を指導なさった米徳信一さんは、次のようにメールで書いてくださっていました。

 

多文化共生とは何かを言葉で捉えるのではなく、実感して行動することが、このプロジェクトの学びの本懐であるということを、嶋田先生をはじめ、多くの実践者である皆様の「人」に直接触れることで学生たちは気づけたと思います。

 そして、映像制作を通して、学生もささやかな実践者になれたのだと思っています。映像文化を考える私にとって、この素晴らしい体験の伝播は、とても重要であり、プロジェクトの本当の意義が少しづつ見えてきたように思っています。

 

学生たちは「米徳先生が、『これ、そうかな? これって、映像だけじゃダメかな』と一言おっしゃっていただくことで気づきが生まれていきました。先生には、どれだけ助けていただいたか……」と、熱く語っていました。「多くを語らず、ポイントだけを示して学生に気づかせる」ということは、まさに教師にとってとても大切なことであり、そこから学生たちは大きく成長し、作品の完成度も上がっていきました。この「学び」は、「今日からできること~5つの軌跡を辿って~」に収録されています。

5つの作品および「今日からできること」は、以下のURLでご覧いただけます。

https://web.casio.jp/mau/index.html

成果発表会の最後に、みんなで記念撮影!

成果発表会の最後に、みんなで記念撮影!

 

※写真は、プロジェクトメンバーに許可をいただき、アップしました。

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