ある日、高校時代の友人の関さんから、以下のようなメッセージが届きました。
河田さんがツールにしている「質問」は、とてもすごいパワーがあると思います。
気づきを与え、考えることを促し、成長させる力があります。そして何よりも、
質問者自身の考える力を増幅させ、相手を思いやる気持ちを大切にするようになる
ことです。そんなこともあり、我々の子供世代の河田さんですが、応援する気持ち
になっています。
その数日後、河田さんからご著書が届きました。タイトルは『人生、このままでいいの?』、サブタイトルは「最高の未来をつくる11の質問」でした。そして、こんなお手紙が添えられていました。
この度、関眞次さんのご紹介でお便りをさせて頂きました。
私は、「質問をする」ことを仕事にしています。
仕事でも、人生においても、良い質問が良い答えを導きだしてくれます。
この度、ひとりでも多くの人が「自分自身」を大切に、人生を歩むことができる
事を願って本を出させて頂きました。・・・後略
「教師における質問力の重要性」についてずっと追い続けてきた私は、「質問家」として仕事をしている河田さんにぜひお目にかかり、直接お話を伺いたいと思いました。
■小学校の教科に「質問科」を入れたい!
頂いた名刺を見ると「しつもん経営研究所」「質問家」と書いてありました。そこで、「質問家」についてお訊ねすると、それが狙いなのだという答えが返ってきました。そこから対話が生まれ、新たな質問が生まれていくというわけなのです。
そして、教育における質問力の大切さという点で共振した私たちは、いかに教師の発問力によって、子ども達が育てられるのか、子どもの考える力を伸ばすことができるのかについて語り合い、話はどんどん広がっていきました。さらに、「国語・算数・理科・社会に加え、「質問」という教科を加える」という新たな提案が、河田さんの口から飛び出しました。
■「最高の未来をつくる11の質問」とは?
『人生、このままでいいの?』は、11の質問を軸に作られています。ちょっと、質問を挙げてみましょう。
1)今の自分に「いいね!」できるだろうか?
2)今、何を感じているだろう?
3)やめたいことや、捨てたいことは何だろう?
4)もし何でも叶うとしたら、何を叶えたいだろう?
5)何のために生きているのだろう?
ここで止めておきましょう。あとは、ぜひ本を手に取ってじっくりお読みください。
そして、河田さんは4つ目の質問に関して、こんなエピソードを話してくださいました。
ある高校に行った時のことですが、「何でも叶うとしたら、何を叶えたいですか。
できるだけたくさん挙げてください」と言ったんです。するとある男子生徒が、
「世界をぶっ壊す」と。すると、先生はびっくりして「そんなことはダメ」と
言ってきました。そこで、私は「どうして? なぜそうしたいの?」と聞いたんです。
すると、「こんな不平等な世界はよくない。一度全部ぶっ壊して、もう一度作り直したい。
だって・・・」と話が広がっていきました。
■子どもの可能性を広げる「といふだキッズカード」
子どものコミュニケーション力アップのために、何ができるだろうか?と考え続けた河田さんは、「といふだキッズカード」を開発するに至ります。これは、表面には可愛いイラスト、そして、裏面には、質問がいくつか書いてあり、4つ目はただ「Q」という文字があるだけです。「その続きは、自分で考えて質問し合おう」というメッセージです。また、カードを何枚か組み合わせて、物語をつくることも実にクリエイティブな楽しい時間です。
決められた答えに向かって学ぶのではなく(もちろんそうした学びも大切ですが)、答えが決まっていないやり取りを通して、人はより多くのことを学ぶのだと河田さんは、発問力を通して、「学び方を学ぶ」ことの大切さを伝えていきたいと言います。
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私は「日本語教師にとって大切なことは何ですか」という問いに対して、「質問力とコメント力」と答えています。相手の考え・思いを引き出すような質問を投げかけ、さらに相手の答えにコメントを添えていく・・・こうした力が学習者の学びをサポートしていくのではないでしょうか。「学び方を学ぶこと」「聴くことの大切」「まずは楽しむこと!」等々、たくさんのキーワードを出しながら、「河田さんとの響き合い」を愉しみました。
お互いのフィールドを超え、ともに行動できる「何か」を探し、わくわくする「何か」をスタートさせたいものだと、新たな化学反応の予感を感じた河田さんとの対話タイムでした。
【追加情報】
河田さんは、無料で、小学校〜
「河田さんの授業実践に関心がある方・教育機関」は、どうぞご連絡ください。
連絡先は、以下のとおりです。