「ブルックス文庫」&絵本『いのちの花』(日本語版、英語版)のご紹介

先日、オックスフォードブルックス大学で長く教鞭を取っていらした穴井宰子さんがアクラスに見えました。そして3冊のすてきな本をプレゼントしてくださいました。

①読み教材「ブルックス文庫」A2教材(編集:イレーネ・ヒル、監修:穴井宰子)ブルックス文庫

 「紫式部」「赤い蝋燭と人魚」「俳句」「二又トンネルの爆発」

②『いのちの花』

文:そのだひさこ    絵:丸木俊

題字:丸木位里

③『いのちの花』英語版

文:そのだひさこ    絵:丸木俊

題字:丸木位里   翻訳:Ian Neary

 

①の「ブルックス文庫」は、 どの作品も素晴らしいものですが、ずっと以前から留学生の俳句に取り組んできた者としては「俳句」に惹かれました。いくつかご紹介しましょう。

この道やゆく人なしに秋の暮れ  松尾芭蕉

隅の蜘蛛案じな煤はとらぬぞよ  小林一茶

腸に春滴るや粥の味       夏目漱石芭蕉のページpng

                   

穴井さんの許可を得て、芭蕉の句のページをご紹介します。クリス・ベケットさんの「俳句と私」も興味深い読み物です。

なお、「ブルックス文庫」に関しては、以前ご紹介しています。こちらをご覧ください。

「イギリス生まれの『ブルックス文庫』(日本語読み教材)、新しい仲間レベル1、誕生!」

 http://www.acras.jp/?p=4769(2015/10)

 

②③の『いのちの花』に関しては、穴井さんが説明文をくださいました。どうぞご覧ください。IMG_6499

  ♪     ♪     ♪

  「いのち」がひるがえり、生きつづけている話を絵本にしたかった と作者のそのださんは言っています。江戸時代寛政十二年に起こった無罪で処刑されたという被差別部落の若い五人衆の伝承をそのださんは詩に書き、絵本にしたいと十六年前に日本語版で、そして昨年英語版で自費出版されました。絵本の「絵」は「原爆の図」の画家の丸木俊さん。絵本誕生までの経緯は「いのちの花」の後書に記されています。

 今日はこの「いのちの花」の原画展にいってきました。
原画の色彩の美しさはそれは目を見張るものです。そして大型本というサイズにこだわって出版されたそのださんの気持ちもよくわかりました。絵本は本当に原画の素晴らしさを失うことなく出来上がっているのです。
   今、この素晴らしい絵本が世界中で読まれることを願っています。
穴井宰子

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