『できる日本語』を使っている先生・学校の声②~愛和外語学院(福岡)

福岡市にある愛和外語学院の深江新太郎さんから、<『できる日本語』を使っている先生・学校の声>を頂きました。今回は、各課の最後にある【できる!】に関することを書いてくださっています。

 

<『できる日本語』を使っている先生・学校の声②>

                                                                                         (2017.10.12掲載)

(2)【できる!】を大切に                           

                                                            愛和外語学院(福岡市)

 

 

チェスをしたことがない人にチェスのルールを説明している場面として、次を読んでください。「クイーンは縦、横、斜めの8方向にどこまでも動ける。ビショップは斜め4方向にどこまでも動ける。キングは全方向に1マスだけ動ける。・・・・」と全ての駒の動き方を説明したとします。さて、この説明により説明されていないことは何でしょうか。

 

それは駒を動かす目的です。

 

本校は『できる日本語』シリーズの初級、初中級を採用しています。今、本校では「て形が定着していない」とか「ない形が使えない」とか、ちょっとヒステリックな声をあまり聞きません。その代わり「第5課の「できる」どうする?」という話し合いの声が聞こえてきます。て形にしても、ない形にしても、条件形にしても、その作り方に一生懸命になることは、冒頭のチェスの例で言えば駒の動かし方を覚えているにすぎません。では全てのチェスの駒の動かし方を覚えたとして、チェスの目的を知らなければ、どうやって駒を動かすのでしょうか。『できる日本語』の各課末には「できる」があります。この「できる」が各課のゴールであり、目的です。『できる日本語』はこの「できる」というゴールから考えていくことで、学生たちがそれぞれの個性を大切にしながら日本語能力を伸ばす教室活動を目指していると思います。

 

またさらに楽しいことはその「できる」というゴールを創造できることです。本校では「できる」の内容は各コース(4月生コース,7月生コース,10月生コース)の担当者が話し合いで自由に決めて良い形で進めています。発表の形態一つとってもスピーチにするのかポスターに新聞風にするのか、内容も切り口により多様な観点があります。教室活動のゴールを考えることが、学生達の本当の声を聞くことにつながります。最近のエピソードで言えば、学生たちは初中級の第14課で自分の国の紹介したい有名人について作文を書きました。一人の教師は学生たちが紹介したい有名人の写真をメールで送ってもらい、それを貼り付けた用紙に作文を書くように工夫しました。ゴールと言っても大げさなものだけでなく、教師のちょっとした工夫も『できる日本語』は導きやすい教材だと思います。

 

 『できる日本語』を使っている先生・学校の声②

『できる日本語』を使っている先生&学校の声②(愛和外語学院)

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