2019年6月より、日本語教育に関わる人々が参照できる日本語学習、教授、評価のための枠組みとしての「日本語教育の参照枠」に関して審議が行われてきました。一次報告、二次報告の提示と意見募集の実施を経て、この度「日本語教育の参照枠 報告」が出ました。
https://www.bunka.go.jp/seisaku/bunkashingikai/kokugo/hokoku/pdf/93476801_01.pdf
この報告書では、言語教育観の三つの柱が明記されています。
1.日本語学習者を社会的な存在として捉える
2.言語を使って「できること」に注目する
3.多様な日本語使用を尊重する
これはとても大切なことであり、報告書にしっかりと入れ込まれたことは、意義あることだと考えます。
また、評価の三つの理念も明記されています。
1.生涯にわたる自律的な学習の促進
2.学習の目的に応じた多様な評価手法の提示と活用推進
3.評価基準と評価手法の透明性の確保
最後に「はじめに」の一部を引用しておきたいと思います。
今後、本報告が国内外の多様な日本語教育の現場において日本語教育の共通の指標として参照され、多様な日本語教育の現場で用いられ、国内外の日本語教育関係者や日本語学習者がお互いの教育実践をめぐる知見を共有し連携することにより、日本語教育の質の更なる向上が図られ、もって共生社会の実現に寄与することを望みます。
また、日本語教育関係者及び外国人等と共に暮らし働く人々が、日本語能力評価に関する理解を深めていただく一助となることを願います。同時に、多様な日本語教育の目的に応じた質の高い日本語能力の評価方法が開発され、適切に実施され、より良い日本語の能力判定の方法が普及することにより、日本語を学ぶ方々にとって役立つこと、日本語教育の一層の推進に寄与することを望むものです。