能ワークショップに大喜びの留学生!~地域社会に根付くイーストエスト日本語学校~

2月8日(月)、イーストウエスト日本語学校では、毎年2月に実施しているお能鑑賞会を実施しました。1この行事も、もう長年実施しているイベントの一つです。地域の方に武田修能館をご紹介いただき、それ以降毎年冬になると、イーストウエスト日本語学校の学生のために「お能ワークショップ」をやってくださっています。在職中は毎年参加していたのですが、退職後は仕事とぶつかることが多く、私にとって、久しぶりに参加できたワークショップでした。

「能って面白い! 能のワークショップを体験して」(2009.2.20)

http://www.nihongohiroba.com/?p=159

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コロナ禍で、果たして出来るのだろうかと教務で話し合いを重ね、入念な打ち合わせをしたうえでの実施でした。こんな時だからこそ、状況が許すのであれば「いつも通りの体験をしてもらいたい」という先生方の熱い思いに支えられての決断でした。参加人数は半分とし、お座布団の位置も十分に空け、「高砂」の練習も小さな声で……など様々な工夫をこらしました。

一生懸命お話を聞いています。

一生懸命お話を聞いています。

 

ワークショップのスタートは、能楽師である武田文志さんによるお能に関するレクチャーです。能楽の歴史、特徴に続いて、世阿弥の『風姿花伝』が取り上げられました。

実際に、体の動きで気持ちを表現するワークショップです。

実際に、体の動きで気持ちを表現するワークショップです。

 

これは世阿弥による芸能論ですが、世界でもよく読まれています。それは、人生哲学、つまり人間が生きていく上で、重要なためになる教えがたくさんあるからなんです。ぜひ皆さんも読んでみてください。

 

そして、「初心忘るべからず」や「心の花」などの言葉をていねいに紹介してくださいました。さらにはご自分の能に対する思い、人生における出来事なども交え、コロナ禍で大変な思いをして留学生活を送っている学生たちに温かいエールを送ってくださいました。学生たちの感想文を見ても、武田さんのお言葉がいかに心に響き、感動したかが分かります。

次は「高砂」の練習です。

次は「高砂」の練習です。

 

次は、「経正」と「羽衣」のお仕舞です。まず、あらすじを簡単に伝えてくださったあと、「能の言葉は難しいですが、時々聞こえてくる言葉で想像してみてください」と、学生たちの気持ちを掻き立てるメッセージがありました。

 

そしていよいよ「高砂」のお稽古です。もちろん全員マスクをしたまま、そっと声を出すにとどめました。それでも、授業で配られた紙やスマホを見ながら、とても楽しそうに参加していました。さらに、能面や装束の紹介のあと、今度は立ち上がって「お能の体験」がありました。「喜び」「悲しみ」などをどうやったら動作で表すことができるかやってみました。

 

最後は「玉ノ段」「船弁慶」ですが、とても分かりやすいお仕舞で、学生たちは夢中になって見ていました。引率した教師も皆、学生たちと一緒に「生で見事なお能を見ること」に感謝しつつ、修能館を後にしました。

見事な衣装に、留学生もうっとり~~~。

見事な衣装に、留学生もうっとり~~~。

 

終わってから学校に戻って振り返りをし、感想文を書きました。いくつかご紹介したいと思います。

(※授業で書いたものをそのままアップしたものです。学習者から許可をもらってあります)。

 

参考:公益財団法人 武田太加志記念能楽振興財団

http://ttmnf.or.jp/

ぜひサイトを覗いてみてください。能楽との素晴らしい出会いが待っています。

 

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M2 ゴンチンさん

M2 楠

M4 ロアンさん

M5 ドゥックさん

 

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