8月18日、アクラスZOOM寺子屋特別編として「日韓すくすく子ども教室」を実施しました。なぜスタートしたのか、どのように作り上げていったのか、そして当日どんな交流をしたのかについては、以下の記事に書きましたので、そちらをご覧ください。
寺子屋だより「特別編:アクラスZOOM寺子屋
<日韓すくすく子ども教室第1回>2020.8.18実施
この「日韓すくすく子ども教室」での学びを、日本の子ども達はさらに「新たな活動」につなげていきました。では、3つの事例をご紹介したいと思います。
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Ⅰ.毎日小学生新聞に投書を出そう!
「日韓すくすく子ども教室」では、ソウルにお住まいの阿部さんに「ZOOM折り紙」として、チマチョゴリの作り方を教えていただきました。日本の子ども達は家に帰ってからも、さまざまなバージョンでチマチョゴリを折り続けました。そして、「また韓国の友達と会いたい」「いや、今度は韓国に行ってみたい」と思いは膨らんでいきました。そして、森田かほちゃんは寺子屋だよりに出してくれた「感想」をさらに膨らませて、毎日小学生新聞の「走れ!毎小特派員」に投稿することを考え、書き始めたのだそうです。「走れ!毎小特派員」は、学校での出来事や体験レポートを投稿するコーナーです。
その投稿がみごと採択され、10月16日の朝刊にアップされました。小学生の行動力、発信力に感動です。では、「日韓すくすく子ども教室」の時の感想文、そして毎日小学生新聞に載った記事をご覧ください。
毎日小学生新聞より許可をいただきましたので、記事をアップいたします。
Ⅱ.創作紙芝居がつないだ「少数民族の子ども達」への思い
「日韓すくすく子ども教室」が終わってから、さらに小学2年生の主体的な「学び」が深まっていき、もう一つの地域社会との「つながり」が生まれました。
実は、紙芝居のお話を書いた野田ゆいかちゃんの夢は、「世界の貧しい子供たちに自分の絵本を届けて笑顔になってほしい」というものでした。そこで、かほちゃんとの間で、こんな話が出てきたのです。
せっかく『日韓すくすく子ども教室』のために、紙芝居を作ったんだから、これを貧しい子供たちに送りたいよね。
でも、実は、「貧しい国ってどこなのか?」をゆいかちゃんもかほちゃんもあまり知りませんでした。そこで、近所の図書館に行って調べたり、ユニセフのページを見たり、動画を見たりして調べてみました。
すると、世界には本当にたくさんの子供が学校に通えないことがわかりました。かほちゃんは、以前からシリアの難民の問題には興味を持っていて毎月サポーターをしていましたが、今回調べてみて、改めて「東南アジアの少数民族の子どもたち」の問題に興味が沸いてきました。
水汲みをしなければいけないので学校に通えない子ども達。
せっかく通えても、少数民族の子供たちの言葉と学校で教えて
いる言語が違うために授業についていけず学校に通わなくなって
しまったりするということがあるのだ!
そこで、ゆいかちゃんとかほちゃんは「世界中の子供たちに絵本と勉強の楽しさを知ってもらいたい!」という目標を決めて、支援活動をすることにしました。他のお友達にも興味を持ってもらうために、チラシも作りました。
そんな折、かほちゃんのお母さまである森田さんは、沼津日本語学院の学生さんとのおしゃべりの中で、ベトナム出身の留学生からこんな話を聞いたのです。
私は、ベトナムの北部のDien Bienの出身です。私のふるさとには、20くらいの少数民族が住んでいます。私も少数民族のタイ(Tay)族で、私は困っていなませんでしたが、山奥に住んでいる少数民族の子供たちは食べるものにも困っているんです。
森田さんは、この話を聞くやいなや、「そうだ!かほの小学校で『少数民族の話』をしてもらおう!」というアイディアを思いつきました。そこで、小学校と沼津日本語学院の教務に相談をして、ついに10月に実現することとなりました。こうして、夏の「日韓すくすく子ども教室」の輪は、どんどん広がっていきました。
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Ⅲ.留学生から「世界の子どもたち」について学ぶ小学2年生
10月に小学校で行われた授業に関しては、発案者であり、実践者でもある森田知美さんにレポートを書いていただきました。
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10月5日(月)、娘の通う三島市立坂小学校の2年生の道徳(国際理解)の授業で、沼津日本語学院の学生2人が「世界の学校に通えない子供たち」と「ベトナム少数民族の子供たち」というテーマでそれぞれ発表してくれました。
授業の前、私は「子供たちに興味を持ってもらえるかな」「つまらない!と言われたらどうしよう」ととても不安でした。ただ発表が始まった瞬間、その不安はすぐに消え去りました。子供たちみんな目を輝かせ真剣に話を聞いてくれたのです。
最初の「世界の学校に通えない子供たち」の発表では、世界には6700万人もの子供たちが学校に通えていないことを知り、「なんで?なんで?なんで?」「え~~!!」と声をあげて驚いていました。
次の「ベトナム少数民族の子供たち」の発表では、少数民族の子供たちは家が遠く学校まで2~3時間かけて通わなければいけないこと、道が悪く川に橋もないので川を自力で渡って学校に通わなければならないこと、家の農業の手伝いや弟や妹の世話をしなければならないため学校に通えないことなどを、写真や動画を使ってベトナム少数民族出身の学生が子供たちに紹介してくれました。
発表後の質問コーナーでは、私もベトナムの学生も「きっと質問はそんなにでないだろう」と予想していたのですが、その予想はいい意味で裏切られ、子供達から次々に手があがり、いろんな質問をしてくれました。
最後に感想を書いてもらったのですが、質問コーナーで聞けなかったことを、子供たちはそれぞれ学生のところに聞きに行っていました。そんな様子がとても微笑ましかったです。今まで学校に通えるのは当たり前、食べ物や着る服があるのも当たり前と思っていた子供たちにとっては驚きの連続だったようです。
子供たちの感想を少しご紹介します。
Aさん
私は学校にずっと行けるのに、ちょっとしか行けないなんてびっくりしました。
川を渡るとき、ボートとかで行くのに、はだしで行くなんてほんとうにびっくり
しました。学校に行けない子がいっぱいいるなんてかわいそうでした。
Bさん
日本のゆうふくな家と、まったくちがう。おなじ年の子が、はたらいているな
んて、しんじられない。わたしよりちいさい子が、はたらいているなんてしんじ
られない。日本では学校がちかくて、すぐ行けるのに、どうしてとおいの?学校
はどうしてまどがないの?
Cさん
学校に行きたくてもいけないのがかわいそう。みちがけわしくてたいへんそう。
のうぎょうをいっぱいしてつらそう。ようふくもなくて、ぜんぶ手であらわない
といけないのがたいへんそう。